伊坂幸太郎 * 東京創元社


「一緒に本屋を襲わないか」

引越してきた途端、悪魔めいた長身の美青年から書店強盗を持ちかけられた僕。標的は――たった一冊の広辞苑。
現代と二年前を交互に描かれた作品で、何かあるぞ何かあるぞ、とわくわくしながら読みすすめると、良い意味でわくわくできないものがそこにありました。

……そうかぁ、そうなっちゃうのかぁ…。

しかし相変わらず巧みなプロットにはあっぱれ。歓声。こちらが物語りに「巻き込まれた」感覚を見事に残してくれました。上手いとしか言いようがない。小説ならではの方法で騙されて、とても満足です。

一見わけのわからないタイトルも、重力ピエロ 同様、これしかない、と思います。本当、たまらないセンスをしているなぁ。

伊坂 幸太郎
アヒルと鴨のコインロッカー