「じゃぁ、お土産は象の置物だからね」
「こんなちっちゃいヤツにしてくんない?」たかしは笑いながら自分の小指の先を親指で切り取った。
「そんなちっちゃいヤツ探すほうが大変だよ、忙しいんだからっ
大きいのは嫌でも目に入るけど、小さいのは探さなきゃなんない」
「もう…」
「嫌ならチーク材のテーブルだよ」
彼は苦笑いをした。
始めはお土産は何が良い?と聞いたのだった。
「別に…」とか「何でも」という答えを、私が大嫌いなのをそろそろ理解して欲しい。
果物が美味しかったんだったら、果物が食べたいと言えばいいのだ。
ブラジャーの中に隠して少量密輸するくらいなんでもないのだもの。(イケナイコトです)
まぁ、お土産なんてどうでもいいことだし、逆の立場なら私も同じことを言うだろうとすべて理解した上で、たかしをちょっと困らせるのが私の趣味だ。
そうして苦し紛れの戯言をかなえるのも私の趣味。
やっぱりあなたの望むことなら実現させたいと思うの。