ファザコン | 秘密の扉

秘密の扉

ひと時の逢瀬の後、パパとお母さんはそれぞれの家庭に帰る 子ども達には秘密にして

読みさしの本も忘れて電車に乗り込んだから、暇つぶしにたかしとのメールを読みかえした。

「ちゃんとご飯食べたかー」

「早起きでびっくりだ」

「二度寝してないかー」

「裸で寝るなよー」

そんな字づらがぞろぞろ出てきた。

クスリと笑ってしまう。まるで父親と娘の関係だ。どうしてだか分からないが、たかしには甘えられる。

まるで小さな女の子のような駄々をあやして受け止めてもらっている。

父をはじめとして、過去誰にもこんな風に甘えられなかった。

一つ前の記事では確信していなかった。

でも今日ならはっきり分かる。


私の頑なさがここにきてようやく取れたのか、それとも初めて受け止めてくれるだけの器を持つ人に出会ったのか、もしくは家族ではないという距離感からのことなのか、それは分からない。


私を甘やかし慈しんでくれる。それが心地良い。

私が求めていたのはこういう関係だったとは気が付かなかった。

やっぱりファザコンだったのだ、私は。