「キケン! スイッチのはいるメール 」 | 秘密の扉

秘密の扉

ひと時の逢瀬の後、パパとお母さんはそれぞれの家庭に帰る 子ども達には秘密にして

服を脱いでいる私を、たかしは背後から抱きしめた。私のお尻にたかしの熱が伝わる。
伝わる。
伝わる。


薄いTバックはもう濡れていて牝っぽい匂いがしていた。立ったまま。そのまま。愛撫もそこそこに、私の入り口で二三度逡巡した後たかしが入ってきて、私も爪先立ちになって位置を合わせた。
頭の向こうを掠めるのは「思ったとおり」ってこと。
その日たかしは二度三度私に挑んでくるだろうって、もう分かっていた。今回は前戯に2日もかけているのだもの。


木曜日仕事を休んだ私は電車の中からこんなタイトルのメールを送った。午前中不快な所用を終えたばかりだった。昼に来たメールでは午前中たかしもストレスフルだったようなので、リラックスできるようにと少々えっちなことを書いて送ったら
「ちょっと興奮したー」と返事が来た。
「ちょっと」の文字が引っかかる。「door」としての意地がムクムクと湧いて出る。
仕事中に一応悪いと思ったから、注意書きとスクロールのスペースを添えた。もちろん、彼が読むのは確信していたし、それを読んだらどんな風に困るのか想像して私は一人でくすくす笑いながら書いた。


「キケン! スイッチのはいるメール 」

(生々しいので前略)
たかしのが私の中にはいって
いっぱいになって溢れ出しそうで
それでもそれを全部包み込んでゆくよ
熱い熱い私のなかでとろけて
迸るたかしを全部受け止めさせて



私の趣味はいい大人(男)をからかうことで、それがたかしには至極楽しいらしい。
「いい趣味してる」
私がおふざけを考える時の「悪戯っ子の目」が好きなんだそうだ。


なんと危険なメールなんだ
仕事中にヤバイよ
危険←気になる←読む←悶々←仕事やってらんない


私はしてやったりと大笑いをした。


月曜日、婦人科でIUDを入れてきた。
お互いの今の生活を崩したくないから避妊には特に気をつけたかった。
妙に軽いノリの医師が、
「ホントは検査結果が出てからなんだけど、今日入れて行っちゃいます?」と聞く。
もちろん端からそのつもりだった。
白い内診台に上がると、早速超音波で私の子宮内が映し出されて、確認されていた。
「綺麗ですね、筋腫も何もない。これなら大丈夫でしょう」
「ほう、いい卵があるなぁ。不妊症の人に分けて上げたいようないい卵だ」
などと突然医者が言う。
丸い形がモニターに映し出されていた。
生理が終わって何日もたっていないのにもう排卵が在ったらしい。
それを聞いて内心ヒヤリとした。生理が終わったばかりだからまだ大丈夫だと思うなどと2,3日前に言った自分の台詞を思い出す。それでも念のために避妊してくれていたけれど。
IUDの挿入は内診に引き続きあっという間に終わった。銅の入ったIUDのおかげで煩わしさから開放される。
4日ほどの微量の出血でたいした違和感も無かった。
「もう大丈夫だよ、これで直接感じられる」
セーフセックスの観点から言えばコンドームをしたほうが良いのだろう。しかし避妊という観点から言うと私はコンドームをあまり信用していない。相手が安全であれば、病気の心配はしなくて済む。避妊だけ気をつければ良いコトだ。


激しく突いてくる彼を受け止めながら痛みと快感はない交ぜになる。
もっと快楽を、引き続く快楽を、もっと…