星4、4 マービンルロイのチェインギャングについて



1932年作品
脚本シェリダンギブニー、ブラウンホームズ。
監督マービンルロイ。

コズミック出版発売のDVDを見てみようシリーズ。たまたま買ったやつが、かなりの面白い作品ばかりで、次々見ている。
副題は、
『名優が演じる「野望の世界」
飽くなき欲望に満ちた狡猾な犯罪』だ。
狡猾(こうかつ)=得のためずる賢いことをする

今回は題名から全く想像つかない「仮面の王国」3番目の作品をチョイス。

タイトルのみると、ワーナーの提供。珍しく冒頭タイトルから、俳優配役を演じてる場面、場面でいきなり!さいしょっから!みせてくる!

ん? なんだこの感じ?(大抵顔つきクレジットって、めちゃくちゃ名作で 映画終了後に思いかえす的演出であるやつなんだけど。「マッシュ」とか「風と共にさりぬ」とか。 )
ちょっと見馴れない出だしから、?はてな印 頭によぎりながらみてみた。



中盤で、あ~これは、当たりだなあ、いや終盤素晴らしく救われない気持ちに包まれて、ラスト素晴らしいポールムニの演技にやられてしまい。ラスト瞬間の台詞に胸が冷たく包まれてしまった。
うわあこの感じの虚しい男の成り下がり物語にまあひどく冷たく感動しまして、今までのコズミック出版史上ナンバーワンでした。
すぐこのポールムニを調べ、フィルマークスの常連先輩方のレビューを読むと
ポールムニは、マーロン・ブランドが 目標にしてた!俳優という事。確かにマーロン・ブランドっぽい演技。

ポールムニ

ハンサムバージョン

なんかね、見たことあるなあと思ったら、元祖スカーフェイス「暗黒街の顔役」に出演していた。いちお見てるけど忘れてた。最後ちょっと激しかった気がする。
デパルマ「スカーフェイス」をみたとき、確か元ネタ検索で見た記憶。


 物語は、戦争後戻ってくるポールムニ。家族の手厚い恩にそむき、俺は建設業で一旗揚げると家を出て行く。さてそこからとある所ではたして!運命はいかに?みたいなお話。

監督マービンルロイの素晴らしい演出。それは 本作原題が「I Am a Fugitive from a Chain Gang」だ。チェインギャングといえば、マーシーの曲を思い出す。



チェーンギャングとは、囚人のグループを鎖でつないで下働きをさせる労働システム(通常は強制労働)である。とのことWikipediaより。

劇中の「刑務所」描写がとにかくリアル。
チェーンの数、切れてないか確認している。
 こういう刑務所物ってジャンル映画としてあったのかしらと思います。
強制労働の容赦ない描写、汗拭くだけで 許可、ゆっくりやると平手打ち、言うこと効かないは、独房、貼りつけとまあ刑務所描写の通常メニューをサラリと描写してて素晴らしいんですよね。絶対入りたくない、訳です、こんなんみたら。不味いメシに慣れていく描写、きたなくなっていく顔や心の表現が素晴らしい素晴らしい。みてこちらがヘコんでくる。

あー「ミッドナイトエクスプレス」系だなあこの感じ。「ショーシャンクの空に」を名画だと言ってる方達にみせてあげたい映画です。ショーシャンクはそういうの一切描写皆無ですからね。カマホラレタリ(性処理)、いじめられたりとか囚人派閥とかとか、。当たり前の刑務所の劣悪な環境をしっかり描かれてない映画は、描写が浅いとしかいいようが無いわけであります。

久しぶりにボーダーの囚人服をみて以下2作品を思い出した。

「オーブラザー」コーエン兄弟(これは未見)

チャップリンの「偽牧師」

だからね、ボーダー着てる人みると囚人服!って心でつぶやくわたしです。

わたしのアイドル、フレディクルーガーもボーダーだった!そういえば。
ホラーアイコンアイドル






さて 
マービンルロイ監督のとある男のチェインギャング

2024年自宅鑑賞ベストやはりでました!
素晴らしいポールムニと
初マービンルロイ監督に
感動しました。