星4.1 無法松の人生(三船敏郎版)
予告編
ヴェネチア映画祭金獅子賞受賞
1958年
脚本伊丹万作。
脚本監督稲垣浩。
全国リバイバルプログラム、「午前十時の映画祭」。今回「12」で楽しみにしてたやつだった。それは「無法松の一生」だ。
本作は、日本映画にヴェネチア映画祭を制覇した作品だ。社会科の用語集かなんかでみて、ずーっと気になっていたやつだ。「羅生門」は、大映ビデオではやばやと見た、20代前半。羅生門というより、間違いないのが、黒澤明の語り口「編集」が、素晴らしかったのを記憶。ビデオ屋にもよくあった。
しかし、この「無法松の一生」は、なかなかビデオ屋でない、DVDがなかった。
タイトル示す通りの「~の一生」系映画、ドラマかな?と予想。
だが、
何がヴェネチアに受けたのか?
ここが物凄く気になってた。しかも、リメイクだ。
日本映画で自作をリメイクした監督は、なかなか少ない。
小津安二郎の「浮草」
大林宣彦の「転校生」
庵野秀明の「エヴァンゲリオン」もその系譜であろう。
事前情報全くいれず、 2023年今期ラストの上映作見てきました。
今回デジタルリマスター版だった。
なるほどなあ~!!!
「TOHO SCOOP」の文字、タイトルにかぶさる、こんぺいとう、ピーナッツ。
そこに熱だし寝ている三船敏郎の九州男児が話しはじめた。
三船敏郎のこんなに「人間くさい」芝居初めて見た気がした。それほど三船敏郎の車引きの生き方を見た 大メロドラマだった。いやあこういう三船はじめみた。
剣豪とか、武士とか、大将とかの三船ばっかだったんで、こんなに無法松の体力肉体労働者ドラマを見れた。三船敏郎劇場だった。
まさか、徒競走をやり、 ボンボンを喜ばそうとするお調子者なんてやると思ってなかった。すぐ殺したり、刺したりするかと思うがなんとも優しい。
Wikiると「いい奴」というタイトルだったとか、 バンツマ版はカットされて、その思いがあったようだ。
無法松の生き様がまさしく、「日本文化」をしっかり映し出されていた。
豆まき、祭、雪合戦、花火、運動会、戦争終わり等々
日本文化がさらりとしながらも活写されていた。
後半
車の車輪が映り、「時間経過」的モンタージュ が繰り返されオムニバス時経過描写になっていたが、素晴らしかった。
涙は出ないが、しっかりと「無法松の一生」を見終え、素晴らしい名画体感ができた。
終盤若干急いだ感あったが、映り込む日本文化 、無法松と家族の関係性をじっくり、元気に駆け足に描写。
そこに花を華を添えたのは、高峰秀子だった。デコちゃんの抑えた芝居だった。
ラストいろいろ考えさせるミニ大河ドラマかつ、メロドラマだった。
さて
稲垣浩監督の
三船敏郎車引きの生き様
無法松の車夫人生(三船敏郎版)
ぜひ!
追伸
いやあこんなに柔らかく、力強い、 人間らしい三船敏郎を初めてみたなあ。
まあ明治大正時代のお話しなんで、かなりおとぎ話っぽくみえたのだが、描きだしてる無法松のはっちゃけ、無学のアピール、三船敏郎の演技がやはりヴェネチアに届いたのでわないか。また稲垣監督の直球のドラマ具合に笑ったり、熱くなったりした。
だけど、無法松さん、友達が紹介したる!にありがとうとのったら良い運命がひらけたのでわと思った。いやあなかなか見終えたら考えちゃったなあ。
デコさまもツンツン演技は、さすがでしたね。
東宝さん!他謎 だらけの稲垣浩監督作品を見れるようにしてもらいたいです!!国宝監督にみえたなあ、フィルモグラフィをみると、、。






