星 3、8 アンソニーマンの脱獄
1948年
監督アンソニーマン。
蓋をあけると最初の作品、「脱獄の掟」見かけて挫折していた作品でした。見てみました。
脱獄の掟なんていうから、どんな脱走思ったら、まあ誠に軽やか。しかも女性ふたりと逃げるなんてと思っ て、なんか生ぬるさを少し感じた。のだが、なかなかみすすめていくと面白くなっていく。
脱獄犯がふたりの恋のバトルでもあり、ナレーターがその女性なのも面白い。
監督がアンソニーマン、西部劇や「エルシド」を作っていた印象。
とても面白い瞬間がいくつかあり、シネフィル系レビューがあったのも面白い。縦の構図とか、横のとか、これは蓮實重彦がよく語ってた内容ですがね。
低予算の本作のような映画は、一画面に複数の人を配置して少ないカメラ割やカメラ移動でアクションを魅せる的なニュアンスの話だ。
本作のアクションシーン、まあやるかやられるかの所は、本当に面白かった。
剥製が並ぶ骨董品で乱闘するのだが、音楽なしで、殴る「ボカ!」って音で表現し、また薫製の鹿の角で刺そうとしたり、顔をつかんだり、リアルな暴力シーンで新鮮だった。
どうしてもアクション担当さんの「殺陣」みるのが今の主流なんで、とっても面白かった。
あとハプニングを入れるのもうまかった。だいたい3人で逃げるがないのにやるところが面白い。
なんか若い弁護士の娘と、馴染みの年寄りで恋の駆け引きあったりするのも独特。若い方は「自首しなさいよ!」とか説教したりする、もしくわ「私!これから警察行きます!」とか言う。
「殺す」「逃げる」を決してしないのも味噌。
はや鉄砲で撃てよ!とか、
そこで走って警察かけこめよ!とかには
絶対ならない恋という面白みがあった。
ヤクザのボスがこのボックスに二回登場した役者さんで、素晴らしいふてぶてしさで逆に好きになった。大柄で目がクリクリしてて、素晴らしかったなー。
「おとし穴」で主役の不倫相手の探偵役の方でした。
脱獄というくくりだが、みたことないオリジナリティでだんだん面白くなった。
さすがアンソニーマンとうなりました!
さて
アンソニーマンの古びた恋の脱獄
脱獄の恋の法律
おすすめの変わった脱獄ムービーでございました。
追記
レビュー読むとシネマヴィーラや東京のミニシアターやらで上映されるてるんでびっくりします。