星4、2 アンヌヴェルヌイユ監督、ルテリエ警部対殺人鬼
1973年作品。
音楽エンニオモリコーネ。
製作ジャンポールベルモンド。
脚本監督アンリヴェルヌイユ。
予告
ジャンポールベルモンド映画再発、リバイバル作品を見ていこうシリーズ。前回実はこちらが見たかった作品。触れ込みとしては、ジャッキー・チェンの「ポリスストーリー」に影響を与えたとのこと。
そんな事、ジャンポールベルモンドがやっていたとは、全く知らなかった。だから見たかった。「何がジャッキーなのか?ベルモンド!」とみるまえ思った。
監督は、アンリヴェルヌイユ。アンリ監督ってあの大好きなギャバン・ドロンの「地下鉄のメロディ」やギャバンと若きジャンポールベルモンドが出演していた「冬の猿」だった。
冒頭から前フリの猟奇なイタズラ電話。からのわかりやすい殺人。クレジットまで大がかりに魅せるやり方もよかった。そしてモリコーネの音楽がかかる。
正直シナリオ的には、2時間ドラマのシナリオレベル。謎の殺人、予告電話、次の殺人起こる。そこにルテリエ警部ことジャンポールベルモンドが現れる。犯人の予告、現れるみたいな展開√。
相棒にトリュホーの「恋愛日記」で出演を務めたシャルルデネが出ていた。ちょっとびっくり。しかもかなり有能な相棒でイメージがくつがえる。
下半身ストーカー日誌映画で出演のシャルルデネ。

前回みたのがトリュホーのちょっと異常な人だったんで、本作でかなり真面目な刑事だったんでびっくり。普通の役やれるんだという驚き。ベルモンドの部下として忠実な感じがあってよかった。目にインパクトがある。あとどちらかというと悪役タイプに見えた。
眉毛の濃いシャルルデネ!右。忠実な部下役でよかった。顔も濃いですが、今回のスマート過ぎる助演。

ジャンポールベルモンドの部下が、みなチームで迅速な感じもよかった。あんまり台詞ないけど。
「電話かけろ!」「~をしらべあげよ!」とチームが黙々と動く感じは、いかにもヨーロッパらしい描写。変な冗談やばかしあいの先輩後輩トークも一切皆無。
このガチさがすごい。代役たてかいなかがわからんが?!多分ベルモンドだと思う。

ストーリーには全く関係ないのに、わりとふかぼるアクション。本作の注文すべきアクション。いやあびっくりするほどガチンコでやってて必見だ。
正直いらないっちゃいらないアクション。だが、ベルモンドが電車の上をへばりつくアクションからのトンネルで身をかがめるアクションは、必見。命いらないのかな?と思った。
この屋根からズリズリとか、ぴょんぴょん跳ねる追いかけるも凄い!
間違いなくジャッキー・チェンはみてると思う。「ポリスストーリー」や「ポリスストーリー3」のヘリコプターアクションは、間違いなく本作のベルモンドアクションを超えようと意図している。
ジャッキーは、必ず過去のアクションを超えようと毎回自分の作品で目標を課していたと言ってた気がする。
製作がベルモンド自身なんで、自らやりたいようにやってるのがよくわかる。
シナリオは本当に2時間サスペンスの連続殺人ものみたいなありきたりな本。そこに独自のベルモンドアクションをくっつけた感がばんぱない。だから残っていくアクションになっている。本当びっくりした。
私には、ゴダールの最低男がアクション俳優になっていたなんて、、。これはベルモンドリバイバルの功績がデカい。
屋根につかまり、またずるずる落ちるのみると「ルパン三世のカリオストロの城」を思い出す。本作のベルモンドはまじで滑ってる感じと重力に逆らってる感じが本当凄い。
解説読むと初めての刑事役とあるが?本当だったら間違いなくこだわってるに違いない。
ラスト付近も犯人といかにもの対決だが、解決方法や詰め方が面白かった。
不満の方もレビュー読むと多いけど、私は大変面白かった。間違いなくベルモンドのアクションが飛び抜けていらないのに、凄いヤル感がよかった。以前みた「警部」は、アクションなしでシチュエーションを変えに変えまくり、ベルモンドのひとねたひとねたの警察ものにみえたからだ。
さて
ベルモンドのルテリエ警部対殺人鬼!
ベルモンドファンは、必見の1本。