1979年松竹、今村プロ作品
監督今村昌平。
脚本馬場当。
原作佐々木隆三。
今村昌平おさらい。今村昌平おきにいり監督、あと数本見ると全部見れる。ドキュメンタリー作品もたしかソフト化した気がする。
失踪事件をカメラとともにリアルルポタージュ捜索するうちに隠された過去と事実が出てくる。そのうちドキュメンタリーはフィクションに変幻し、ラストは象徴的装置崩壊を劇的に魅せる。まるでドキュメンタリーの嘘を建物化したかのように。「人間蒸発」
再見したい「神々の深き欲望」3時間の超大作。今村重喜劇に孤島文明化を結びつけた長い作品。とにかく太陽オレンジと穴ばっかり掘っていた印象。二巻組日活ビデオで見たが忘却。
おばすて山信仰を今村昌平風昔話に結びつけ、セックスを人間から動物まで取り入れ人間性営みむかし話を撮りあげカンヌを制した「楢山節考」
劇場で2回みたカンヌ奪取映画「うなぎ」
アナザーバージョンも公開された人気作。
「アングスト不安」のレビュー書くときに殺人といえばで思いだしたイマヘイ。アマゾンプライムにて鑑賞した。
何度目かは忘れた。
今回見て思ったのは、まず、あの父こと三國連太郎は何だろうあの存在感。
自分を悪魔の血が流れているという。息子の嫁に手をつけるは、キリスト教だけど情けないは、結局生き残る。だけど何だろう、この親。緒形拳の前にこの親は最後まで何だろうと思った。法を犯さないが、家族のモラルは壊す。
なかでも本作の2つの風呂場シーンは実に今昌のエロス見せ場。
義理の父三國連太郎と緒形拳の嫁倍賞美津子。
「お背中流しましょう」
と肉付良い三國に裸をさらす倍賞。このシーンのなんとも異常ないやらしさ必見!
なんだか我慢してるんだか、静かにムラムラしているミクニ。倍賞が胸に手をやる感じ。どういう関係だよと見ながら思った。
だが素晴らしきぬめりのあるラブシーンに違いない。風呂場の掃除のシーンもあわせて必見。ある意味今村昌平のロマンポルノシーン。
まあイマヘイの映画どの映画も絡みはあるのだが、本作のアブノーマルな絡みは、素晴らしい。
このナマリが癖あり、聞きとりずらいかもしれんがアクセントとなっている。緒形拳の
「んにやあ!んにやあ!」九州方言だかわからんが、猫のような相づち必見。
今村昌平が多分好きだった「うなぎ」もうつります。うなぎイコールイマヘイの公式成立。
大人に棒を振り上げる緒形拳、少年時代。父親に反発し札付き少年院の子供時代。からの殺害。から詐欺を繰り返す姿を時間前後して映画は進む。この緒形拳がなんで詐欺をするのか?というのは全く描写はない。だが緒形拳が殺害するシーンの力強さ、うなり声が誠にリアルで頭にこびりつく。なかなか人間が死なない描写。今村昌平のこだわりが出ている。
ここの殺傷シーンがなかなか忘れられない。
詐欺から、金とセックスをまたにかける。緒形拳と小川真由美の関係性必見!先生!先生!と信じた小川。映画デートで犯人ニュース映像を見て隣に犯人がいると感じてからのふたりがとても良い。
いや、三國連太郎と緒形拳が喧嘩するだけですでに神のような気がする。2人が倍賞との関係性をめぐる台詞のシーン必見のやりとり。本当は取っ組み合いのファイトすら見たかった。
さて
復讐するは誰にあり
緒形対三國の神対決
今村昌平の重喜劇エポックメイキング殺傷物語
ぜひ!おすすめ致します!
追伸
「アングスト不安」見てからこれ見ると、殺人映画だけど別ものくらいの開きがある。し、アングスト不安より本作の方が興業良さそうな輪郭はっきりしたものをかんじた。