星3、9 
東京地方のモダンなラブ
ポップになれない恋人どうし




MOOSIC LAB2019長編部門
最優秀女優賞受賞(川上奈々美)
配給、宣伝SPOTTED PRODUCTION。
脚本赤松直明。
脚本監督下社敦朗。





ひさびさのチラシだけで、見に行くシリーズ。このノリは、2019年4月に見た斉藤久志監督の「空の瞳とカタツムリ」以来、こちらも傑作なずるりと黒い恋ポルロマンで推奨!

チラシの素晴らしく見えそうで、見えないヒロインの顔、タイトル「東京の恋人」。裏をめくるとヒロインの素敵な笑顔。
ん!なんか違う感じ。

「すべてのかつての恋人たちに贈る、惜春映画の傑作が誕生!」とな。サングラスの男。
このチラシ情報だけで見に行こうと思った。本作のレーベルはシネウインドが応援してるレーベル「MOOSIC LAB」だよなあくらい、ほぼ知らない。




まず。
このレーベル「MOOSIC LAB」が若手音楽と監督が結ぶ映画なのかな?。確かに音楽をフルで聴かせるのが結構目立つので、はたして映る事象と音楽が本当にあってるのか?疑わしい、もくしわ長い印象があったというのが正直なとこ。下社監督も音楽製作しているんでびっくり。編集と音響タイミングが少し気になる。ラスクレジットに字幕は、いるか?!とか。

だけど、見終えた後「東京の恋人」のような明るめなソフトポルノが1年に1回かかる日本映画になって欲しいなあって思いました。

長い前フリですが、とにかく暗く、消極的、犯罪テイスト、観念的が大好きな日活ロマンポルノのようなものを吹き飛ばすような、気負いや伝統は微塵も全くない。

全ては川上奈々未の笑顔と体とナスカスカジャンに魅了される。

あまりにも普通な映画男らしいタッチャンこと森岡龍の写真男、ビデオ男。着ているおそらく永井博先生のTシャツ、わたしも欲しい。さながらこのTシャツは、本作のシンボル「シティポップ」を表してるかのよう。いや本作の不倫な2人にポップのかけらもない。
日常のデートは、ラーメン、海、バッティング。あまりにも地方都市のラブそのまんま。

何も起こりそうで
何もない
モダンラバーのふたり

中盤からも脚本の見せ方に捉えられながらも、決して泥くさくなったり、セックス過剰になったりを至極抑え、近年まれにみる明るいというふたりの東京の恋人は、地方的普通なカップルの点在する心象風景を描く。ラストもよかった。

いちお映画に敗れた男だが、映画映画言う今どきのオマージュオマージュうるさいよ!観念も呼名のみ。

ジムジャームッシュ
「ストレンジャーザンパラダイス」


加藤泰「懲役18年」


北野武「キッズリターン」


中島らもetc。

だけどジムジャの「ザンパラ」を秘かに好きなんじゃないかいや方向性としてとても近似値にザンパラよりに近づけてる後味は素晴らしかった。それは男女の良さに極まる。
「キッズリターン」の例の台詞、ココロで大爆笑!!必見!


なんか他の映画でも写真撮る有名俳優のソフトポルノがあったが、本作の方が断然良い!

ロマンポルノの観念性から脱却するって以外にむずいんかも。いや気にしなきゃいいんだけど。

川上奈々未の素晴らしい絡みと明るさを見に行くだけで素晴らしい。2020年にこーんな明るいソフトポルノが見れるなんて嬉しい限り。



さて
下社監督の
ありふれた東京・地方のラブ

ぜひ!ご覧ください。