星4、1
ジムジャームッシュ監督のゾンビ2020

フォーカス提供
脚本監督ジムジャームッシュ。
コロナ禍あけの一発めの映画何みよう!と思っていた矢先。まさかのジムジャームッシュ最新作。しかもシネコンデビューじゃね?というあのジムジャームッシュが近所で上映してる。しかも、ゾンビ映画だよ!絶対撮るきないでしょジム監督!と思った。今まで。
ジムジャームッシュ監督、ここでおさらい。
そもそも80年代、ニューヨークインディペンデント作家系譜。ミニシアターを牽引してきた代表的監督のジムジャームッシュ。
自主製作っぽい永遠の旅、いや部屋でひとりで踊る「パーマネントバケーション」パックインビデオだった気がする。「パーマネントバケーション」これすき!
ミニシアター軒並み大ヒット作で初期代表作、途中に挟みこまれる黒い画面は意地悪?とさえ思っていた「ストレンジャーザンパラダイス」ちょっと見なおしたい!
兄貴のダビングベータビデオで見て、「ほう!これがミニシアターでヒットしたお洒落系映画かあ~」と思ったものでした。ソニービデオだった。
囚人ものを好きな人達で撮りあげた「ダウンバイロー」トムウェイツ、ロベルトベニーニ出演。このイタリア映画っぽいテイストは初期からきっちり出してくる。大好きな1作。今やTシャツになる作品。
中期ユニバーサルと専属契約し、これまた今に繋がる独自のオムニバス映画を撮り続けるジム監督。同時期同じくニューヨーク派閥のスパイクリー監督もユニバーサルと連作監督します。
永瀬、工藤が日本パートで出演。全てはエルビス・プレスリー館に行くために「ミステリートレイン」DVD所持。ジムジャームッシュの日本映画好きも表れています。
ちなみに相米監督作品を見て決めたそうです。
「ションベンライダー」「台風クラブ」ジムジャームッシュが魅せる日本人。
タクシーに乗って世界中は夜の街
「ナイトオンザプラネット」
ウィノナ・ライダーとジーナローランズを絡ませる面白さ。ジムジャームッシュ映画の見せ場でもある。
武士道をまとう黒人フォレストウィテカーの「ゴーストドック」こちらも見なおしたい!
もはやダイナーとコーヒーとタバコさえあれば映画は出来る。ジムジャームッシュ映画の極み「コーヒーアンドシガレッツ」
ニールヤングのライブ映画から音楽系映画も撮るジャームッシュ。このあたりから疎遠になっていきました。見なくなってきました、わたし。
んで「ブロークンフラワー」でビルマーレイとタッグを組み、今の今まで続いていきます。
時は2020年。世界中なんやら病の社会的距離とれ施策から映画館には行けず。
からの、シネコン遂に解禁。さて5カ月ほぼおあづけをくらってからの、コロナ禍あけのシネコン一発め。
やはりジムジャームッシュ映画が見れる。
こんなジムジャームッシュ映画が、シネコンで見れる。しかも絶対にあり得ない、ゾンビ映画!そりゃー行くでしょ!という事で、タイトルもロクスポ言えず間違え噛み噛みで行ってきた。
「ドントダイ、、、、ジャームッシュ1枚」って言いました。
もちろんゾンビ映画が見れるとは思ってないんですが、ポイントは
どこまで「ゾンビ映画」として表現してるか?
が気になるところ。
ユナイテッドシネマ新潟、ソーシャルディスタンス席で見てきました。(田舎シネコンなんで正直いつでも隣あいてます状態だが、。)
まさしくジャームッシュのゾンビ映画にはなってましたね。予想を超えてしっかりゾンビ映画になっててびっくり。
だが、そこはジムジャームッシュ映画。完全なオフビートな間と間延びした独特な空間に突然ゾンビが表れ、翻弄される、ぼーぜんとするジムジャームッシュワールド全開の映画でした。
タイトルの曲もまあしつこく聴かせるというこのセンスだよね。「デッドドントダイ」
結構切り株ってましたね。主にアダムドライバーが、(笑)ザックザックやってます。
ジムジャームッシュファンは是非どうぞ。いちおホラー映画ですが、まあ怖くはありません。あっ言っちゃた。全然ホラー映画じゃないからね。ジムジャームッシュのゾンビですからね。

だって主要3人がこのお三方というね。ホラー映画じゃないだろう。左より元祖ゴーストバスターズ、ビルマーレイ。真ん中がクロエセビニー。右はアダムドライバー。どんな3人だよ!クロエセビニーが素晴らしく嘆きのヒロイン婦人警官を演じてました。
クロエセビニーといえばラリークラーク「キッズ」だよねー!
まあ鼻からジャームッシュがゾンビスペクタクルを正面からやるとは全く思ってない。
むしろどんなゾンビワールドを魅せてくれるだろうと思ったらまさしくシニカルかつオフビートかつしっかりゾンビ映画を魅せてくれました。ラストも無茶苦茶かつシニカルで好き!
どちらかというと悲しい怪物、襲わざるえない怪物というニュアンス出してました。あとじめから這い出る所も2、3カット割ってましたね。あと食べるとこもしっかり。こういうシーンからホラー映画、ゾンビ映画をどう表現しようがわさりますね。伝統芸をどれくらい取り入れ、どれほど新しくするかがわかってくる。
頭!頭だよ!をわりに連呼する、切り株派閥主張もジムのゾンビ映画になってました。
左の男の人がガソリンスタンド店主。彼の店が完全ゾンビ映画リスペクト店舗で爆笑。
ガススタなのに
ビデオドローム、
遊星からの物体X、
ロメロとリスペクトポスター出現。必見!
着てるシャツは「吸血鬼ノスフィトラ」シャツ(自作)と爆笑。あげくにスターウォーズまで、。吸血鬼は、「オンリーラバーズレフト」でジムは表現していました。未見。
アダムドライバーの無茶ぶり、超落ち着きぶり必見。これぞオフなビート。冷静すぎだろのジムワールドをごらんください。笑えたけど。
地面から手が出るのを重要視していたよね。あとジャームッシュなりのゾンビこだわりもしっかり出てました。
みんなちゃんと依存症というね。笑えた。ある意味ロメロ「ゾンビ」を踏襲してます。みんななんか生きてきた過去をつぶやき反芻するゾンビたち。血じゃなくて腐敗してるのもこだわってましたね。生々しくないというこだわりね。これも貫いてたね。グロいんじゃなく、すすけてるゾンビにしてたね。
お洒落なゾンビねといいつつ、首をばっさりやるティルダに大爆笑!
そんなジムジャームッシュの「ゾンビ」をお楽しみください。
豪華メンツのホラー映画というかホラー小話というかやっぱりジムジャームッシュのホラー映画になってましたあー!笑えたし。
RZAは今や監督まで。着ているシャツのワッペンに注目!細かい芸あり。「細部まで味わえよ」の名台詞!
ラストのほうもえ~!という台詞ありますが、ある意味無茶苦茶なラストで苦笑いかつ苦笑いなラスト。通常なら脚本段階で駄目だしされそうなラスト。だがジャームッシュだから許されるラストでした!
まあ絶対ホラーなんか撮らない監督が撮る。ジャームッシュが撮った素晴らしくジャームッシュなシニカルコメディホラーでございました。
ジャームッシュファンはぜひ!
さて
ジャームッシュのゾンビ2020
ぜひごらんください。