マイバッグアングリー
製作WOWOWフィルム、アスミックエース、マッチポイント他。原作川本三郎。脚本向井康介。監督山下敦弘。
はじめ聞いた時 ちょいとびっくり、映画評論家の川本さん原作で学生運動?
川本さんのキネ旬の柔らかい文章 品のある文のあの河本さんが激しい学生運動を描いていたことにびっくり!
山下監督は、「天然コケッコー」「リンダリンダリンダ」で青春映画の素晴らしいフィルムを魅せてくれた。
マツケン、妻夫木君を配して
どう?
過去を再現するんだろうか?
映画監督のある種のハードル
過去を再現する作り込む
という社会派的作品に否が応でも期待は高まり、最終日映画の日鑑賞となった。
うーん!
山下監督は、本当に
心から、心底!
この原作に魅せられたのかどうか疑問に私は陥った。
いったい本作は?
何を表現したかったんだろう?
と見ながら考えたとのが本音だった!
なぜ ダブルミーニングにこんな脚本比重をおくのか?
本作の事件とキャラを結ぶ重要なファクターになりすぎている気がして嫌だった
「真夜中のカーボーイ」
「ファイブイージーピーシズ」
そして上記二本を山下監督は、本作に理解し、愛したゆえのリスペクトに見えなかった。原作にあるからね!的なエピソードに見えたが、
果たして本当に事件の信憑性、猟奇性、時代再現に
本エピソードがいるとは、到底思えない気がしたのだ。
つまり脚本である!
そして第2の命題
本作はなぜ120分を越えたのか?
という疑問だ。 長い!それは感じた。
そしてカメラアングルのアップと引きの不自然なミックスにかなりがっかりしたのも事実
重要なラストの妻夫木
顔面のアップは、妻夫木メソッドを見ているようで全く伝わらないのだ。
つまり感情が妻夫木君に乗らず 彼の演技を疑問視しながら冷静に凝視した、作為的な表現に見えたのだ、本当に残念
そしてマツケンがどこか
やらされた思想キャラクターに見えた、
全然生き生き見えない
全然闘争していない
全然対立していない
全然叫んでいない
全然革命を起こそうという気色悪さが何も伝わらないコスプレして、それらしい思想モノローグを喋ってるにしか見えなかった
そこが駄目だった
つまり本作の横に
大島渚「日本の夜と霧」
若松孝二「天使の恍惚」
高橋伴明「光の雨」
はてや
黒沢清の「ドレミファ娘の血が騒ぐ」
ゴダール「中国女」
を並べて見よう、
大島、若松はたまた作品協力した荒井晴彦は、本作を見たらどう評価し、どうみるのであろうか?
私は少なくとも
マイバッグページというか
マイバッグ アングリー
怒るような気がした。
本当に七十年代を再現したかったの?
学生運動、ベトナム戦争、安保闘争、三島由紀夫、アメリカンニューシネマ、ジャーナリズム、新聞記者
という物を
あまりにもインプットせずに作り上げた
情報量の少ない
レポートに脚本に
表現に
僕は申し訳ないが見えたのだ
全然反芻や、脚本に筋や、魂や荒々しさが
少なくともおもしろさもなかった
大島、若松、高橋の上記3作品をあげるのもなんだが
少なくとも及んでいない
よく頑張ったなぁ的なねぎらいしか
かけられない気がした。
本当に山下監督がすきだからこそ
そういう風に思う、山下監督もっと脚本を練って、カット割を練って欲しかった
あの長塚さんのシーンのもりさがり
酒場のシーンのもりさがり妻夫木マツケンの喧嘩、対立
そこで熱い何かが観客に伝わらないで
どこに
何を求めていたのか?
僕には伝わらなかったです
画像粒子荒かったフィルム感じ
新聞社の舞台様子
あがたさんの好演
主題歌も頑張っていたけど
やはり作品の核
山下監督にとっての
七十年代が
表現として浅い気がします
すきだからこそやはり
素直に見ながらイライラしました、私は。