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星4つコッポラの雨の中の男女
1969年作品、ゾエトローププロダクション提供。協力ジョージルーカス脚本監督フランシスフォードコッポラ。

大好きな映画監督であるコッポラ四作め。ロジャーコーマン門下で撮った「ディシャメン13」。隠れた青春小品で可愛い映画「大人になれば、」(ビデオ発売有り)、DVD化されてる晩年のフレッドアステアと組んだ「フィニアンの虹」。その次のコッポラワーナー作品で六十年代最後の作品。

初見は微妙な余韻、だけどなんとも歯がゆくイライラするけど何だろこのもどかしさみたいな印象。とても「ゴッドファーザー」や「レインメーカー」等撮りあげた監督に見えなかった事、同一人物が撮った事実に「逆に」驚いた。ここがスコセッシやスピルバーグともお手伝いした当時の朋友ジョージルーカスとも違う。ルーカスとは、早すぎるSF「THX-1138」や音楽の編集や製作で協力した「アメリカグラフティ」で共に映画を作っていた。
どーしてもその余韻を確認したくワーナービデオで鑑賞。
ある意味出来損なった感じがあるんですが、素晴らしい回想シーンと本作を微妙な苛立ち的不可解な優しさをまく若きジェームズカーンのキャラクターに引き込まれてしまいました。
また、本作が「女の孤独」であるなら対をなす「男の孤独」を表現しているのが、「カンバセーション盗聴」のように見える。内省的な映画というのは、コッポラの映画の系譜にあるような気がする。その最たる最新作「コッポラの夢の胡蝶」はまさしく男が迷う映画であった。

物語は、どこにでもいるような妊娠した主婦。彼女の家出からこのロードムービーは、始まる。
ある日道に図体のデカい若者ジェームズカーンを乗せる。彼女は一夜のラブの為に乗せたはずが、大きな荷物となり彼女にのっかりはじめる。

物語的に本当、三行位で終了完結するうっすうっすなお話しなんですが、妙にリアルな回想とリアリティ溢れる主人公の境遇、展開するイライラに私は魅了されていた事に気づいた。

まるで新聞の三面記事の事件を切り取りしたかのようなこの味わい。

繊細な回想のフィルムタッチ。

コッポラのオリジナル脚本である「レインピーブル、レインマンアンドウーマン」は、現実に濡れて掴んだ一握りの不幸のようだ。

いやー変な映画ですよ、暗いし、ですが、後の七十年代八十年代の隆盛期をへて低迷娯楽期九十年代。最新作で再び着地点に回帰したようなコッポラ、また撮りあげた最新作がとっても楽しみな作家である。

コッポラが魅せる繊細で曲がった雨の人たちのロードムービー。ゴッドファーザーファンに是非みてもらいたい作品です。(面白くないじゃんと一撃評価されそうですが)