星4つ
1958年脚本笠原良三。監督松林宗恵。
森繁久彌の社長シリーズ。かなりの本数が製作された大ヒットシリーズ。森繁さんは、テレビドラマでの頑固爺さん役や舞台での活躍を拝見。最近では宮崎駿監督「もののけ姫」のシシガミで、強烈なドス声を聞かせて頂き大変印象的でした。また、最近淡路千景さんと共演の関西ずるずるべったりラブストーリー「夫婦善哉」鑑賞。素晴らしくだらしない若旦那を飄々と演じています。女性に嫌われだろうなぁ、この役柄。
あと「俺たちひょうきん族」にてタケチャン、サンチャンの「タケチャンマン7」でパロディ「社長シリーズ」が入っていて気になっていました。タケチャン、気難しい社長。羽を頭につけると、メガホンを持ってハイテンションになる社長役。サンチャンはお調子者秘書。パーデンネンDVDボックスに収録されていて気になってました。
あとは先日お亡くなりなられた小林桂樹さん、小林さんのコメディ演技が見たかったというのもありました。小林桂樹さんは、黒澤明「椿三十朗」の唯一の爆笑ポイントの役柄。それから岡本喜八監督の主演作品「江分利満氏の優雅な生活」、大変ユーモラスな作風に馴染んだサラリーマンえぶりまん氏を好演していました、スンゴイ洒落てるコメディでした。社長シリーズの元祖をたどり本作鑑賞となりました。
やはり娯楽作品として面白かったですね、イバイバした森繁社長がいて、ヘイコラ、「ハイィィー」の小林桂樹のくっさい顔をする秘書がいて、三木のり平のお調子者部下がいて、そこにガチガチ真面目な営業部長加東大介が社長代理になってさあ大変、という物語。森繁威張りの小林桂樹の受けの演技、森繁の芸達者な早口といやらしさ、やはり素晴らしいコメディアンだなーと森繁さんの見る目が変わりました。あと政治家前の扇千景さんも超綺麗です。
さて社長代行の顛末はいかに。
イヤーあまりにも唐突なエンドマークに思わず大爆笑。やはり、ちゃんと「続社長代行記」が製作されていたんでひと安心。この尻切れ唐突エンドの手法ってこの時代からあったんですね!