ジャンク品の OLYMPUS OM-1 をゲットして、やっぱりジャンク品だった(でも、すごく綺麗な個体でミュージアム品の目的は達した )のですが、これについていた レンズ(OLYMPUS F.ZUIKO AUTO-S 50mm F1.8)が、運よく完動品でした。
そこで、OM レンズ用 マウントアダプター をゲットして、使ってみたところ、オールドレンズの面白さに嵌りました。
写りのレトロ感もさることながら、絞り優先モードでは、シャッタースピードや ISO 感度を気にする必要はないのですが、それでも絞りを考え、フォーカスを合わせて撮影する手順が、普段インテリジェンスオートでコンデジのように撮影している身にとっては、七面倒くさくて(石破か!!)何とも写真を撮っている気にさせてくれて楽しいのです。
(もちろん今までだって、マニュアルモードで写せば同じことができたのですが、オートモードには、わざわざその気にはさせない快適さがあるため、チャレンジしようという気がおきませんでした)。
ただ、そのオールドレンズが標準の50mmなので、マイクロフォーサーズ機ではセンサーサイズがフルフレームセンサーの半分なため、画角が35mm換算で100mm相当になってしまい、結構被写体から離れないと画角に納まらないときがあります。
たとえばこれ、道の端まで離れても車全部が収まりませんでした。
ということで、オールドレンズの広角域の手ごろなレンズが無いか探してみたら、ありました!!
OLYMPU M-SYSTEM G.ZUIKO AUTO-W 28mm F3.5
それも、マニアの間ではレアアイテムとされている「M-SYSTEM」のレンズです。
この「M-SYSTEM」というシステム名は、OLYMPUS の OMシステム の初期プロトタイプのエピソードに関連しています。
設計者 米谷美久さんのインタビューによれば、
OM-1の最初の名称は「M-1」でしたが、LEICA社が自社のMシリーズカメラ(例: M1)と名称の重複を主張(1972年9月、ドイツで開催されたフォトキナの初日に、エルンストライツ社の幹部がオリンパスブースに現れて、「Mは困る」と申し出た)したため、その場でMの前に一文字付けるということになり「OM-1」に改称することが決定されたという。
製品として完成しているものはそのまま流通させ、製品化される前のパーツなどは全て廃棄することも、その場で決定された。この変更前に製造・販売された限定的なボディ、レンズ、アクセサリー(約52,000台のボディ相当)に「M-SYSTEM」のロゴ(銘)が刻印されており、現在はコレクターアイテムとなっている。
当時の「M-SYSTEM」カタログによれば、レンズに関しては以下の種類が発売される(されている)となっている。
28mmF3.5 35mmF2 35mmF2.8 55mmF1.2 50mmF1.4 50mmF1.8 75-150mmF4.5 100mmF2.8 135mmF3.5 200mmF4 MACRO20mmF3.5 MACRO38mmF3.5 MACRO80mmF4
28mm は、8,000本程度ではないかとの推測も出ていました。
名称を変えただけで、M-SYSTEM と OM-SYSTEM との間には、製品上の大きな違いはないのですが、初期製品はマウント部の固定ネジがマイナスねじが使われているのが特徴。
八百富写真機店さんのブログより
まるで、1952年 の FENDER TELECASTER の初期型みたいですね。
ということで、広角レンズが欲しいという目的が達成できるのと、レアさが後押しして、ゲットしてしまいました。
シリアル番号は10万台からふられたとのことなので、8,000本のうちの2,000番台ということで、シリアル上もM-SYSTEM に間違いないようです。
マウントアダプターを介するため、残念ながらコンパクトさは犠牲になっていますが、それでもずいぶんコンパクトなレンズです。
ところで、この G.ZUIKO AUTO-W 28mm F3.5 はオールドレンズマニアに間では「銘玉」と呼ばれるそうです。
Grok に聞いてみたら、その理由は以下の点に集約されるそうです。1.優れた光学性能
このレンズは、オリンパスOMシステムの一環として1970年代に設計され、コンパクトながら高い解像力とシャープネスを実現。収差が良好に補正されており、特に色収差や歪曲が少なく、広角レンズとして自然な描写が得られます。当時の技術でこれほどの性能を持つレンズは高く評価されました。
2.コンパクトで軽量な設計
オリンパスOMシリーズの特徴である小型軽量化を体現したレンズで、28mmの広角レンズながら携帯性に優れ、日常使いや旅行に適している点が愛好家に支持されています。現代のレンズと比較しても、その小ささは際立っています。
3.独特な描写の魅力
G.ZUIKOレンズは、独特の柔らかさと同時にシャープな描写を持ち、ボケ味やコントラストが自然で美しいとされています。特にモノクロ写真やフィルム撮影での発色が評価され、現代のデジタルカメラでもアダプターを介して愛用されることが多いです。
4.歴史的・文化的な価値
オリンパスOMシステムは、当時の一眼レフカメラの革新を牽引した存在であり、G.ZUIKOレンズはその象徴。多くの写真家がこのレンズを使って名作を生み出したため、ヴィンテージレンズとしての評価も高いです。
5.コストパフォーマンス
当時、F3.5という開放F値は控えめながら、価格(ケース・フード込 23,400円 ~現在の価値に直すと98,280円と、結構な値段ではあるが)に対する性能が非常に高く、プロからアマチュアまで幅広いユーザーに支持されました。現在の中古市場でも比較的手頃な価格で入手可能な点も人気の理由です。
と言うことだそうです。
それではさっそく、このレンズをつけて写真を撮ってみました。
空の青が自然に出ているようです。「オリンパスブルー」ってこのことでしょうか?
特に目立ったレンズ内のゴミや曇りはなさそうです(細かいホコリの混入は確認できました)。
広角なので、近寄ってくる猫などは50mm(35mm換算100mm)よりは撮りやすいです。
F3.5の開放で写していますが、コントラストの表現も自然(諧調が滑らか)に見えます。
オールドレンズにしてはシャープな画像が撮れたと思います。色収差もそれほど気になりません。
解放で撮れば結構ボケが楽しめます。
ということで、カチッとした描写と大きなボケを撮りたいときは、LEICA DG SUMMILUX 25mm/F1.4 で、柔らかな色とボケを狙いたいときは、G.ZUIKO AUTO-W 28mm F3.5 と、使い分けてみたら面白いのではないでしょうか。














