守安は戦後すぐに、わが国初のバップピアニストとして名をはせた人物だ。残念ながら昭和30年に自ら命を絶っているのだが、その天才ぶりは今なお日本のジャズ界では語り継がれている。
本アルバムはそんな守安が残したたった2枚のレコーディングの1つであり、世界的にみても奇跡としかいいようのない貴重なドキュメントであるといえる。
何しろこの当時では珍しかった巨大なお手製テープレコーダーに、これまた市販の紙テープに磁気を塗って、ただの個人が録音したというのだから、全くもって信じられない話である。
守安がここに残した演奏は恐らくあのバドパウエルに触発された奏法であろう。しかし断言するがこちらの守安の方が断トツ本家のバドより凄まじい気迫に満ちている。この情報量の少なかった時代に、よくもまあこんな時代の先取りをしていたなと、ただただ守安以下当時のジャズプレイヤーに最大限の敬意を示すしかない。
現在では多分CDで再発されているだろう本作。もしこれらの時代のジャズに興味をもたれた方はぜひCDのライナーノーツをご覧ください。かなり詳しい解説がはいっている筈である。
本当にこの時代の人達の説明不可能な努力と情熱を感じさせてくれます。
