ふぅ、つかれたー。
ただいま
がたんごとんと、帰宅中です。

お腹ぺこぺこだー。

と思っていたら

隣の酔っぱらいサラリーマンに
ちーかまをもらった。

ありがとう。

ちーかま片手に
ブログ更新です。

さっきから
ちーかまサラリーマンが

彼氏とメールかな?

としつこく聞いてくるので

面倒だから

はい

と言っておいた。

あなたのこと書いてるのよ
だなんて言えない。

あと

あなたの下のチャックが全開なことも
言えない。

言いたいことを
胸にしまったまま
ちーかまを食べ終えた。

お口はチャック
とゆーことで。

おぉ、なんだか
おあとがよろしいようで。

さて、到着したので
またあとで。
土曜日に、鳥栖プレミアムアウトレットに行ってきました。

『バーゲン』

その響だけで、テンションが上がります。

それは、あたしだけではありません。

お店の中では
たくさんの女性が、目を輝かせ商品を選んでいるではありませんか。

お店の外には
大きな袋を片手に、ぐったりした男性がずらり。

草食系男子、肉食系女子、

今の日本の縮図をそこに見たような気がします。

そこでは、もちろんあたしも肉食系になりました。

YES i DO * ドンマイあたし-DVC00125.jpg

スカート、ワンピース、ジャケット、パンプス…

沢山買いました♪

あー、明日はどれ着よう。
こーやって考える時間が幸せです。
自慢じゃないが私、
ものすごく本番に強いタイプだ。

不思議なものだ。

プレッシャーに強いと言うのか、緊張感がないと言うのかは分からない。


あれは、高校生のころ。

私は幼稚園から習字教室に通っていたので、字が上手いと、よく褒められていた。


私が通っていた書道教室の先生は、全国的にも有名な先生で、

その先生の教え子だ、と言っただけでちやほやされた。

その先生の息子さんは、むちゃくちゃ字が上手い。

私なんて到底、足元にも及ばないくらい上手い。

その息子と私は同じ年だった。なので一緒に、書き初め大会に出場することになった。

書初め大会なので、
やり直しがきかない。

いっぱつ勝負だ。


『先生の息子さんで優勝は決まりですね。』

『いやぁ、わかりませんよ?息子を越える逸材がいるかもしれませんしね、ははは』

そんな馬鹿な。

誰も、息子を差し置いて優勝しようなんて、これっぽっちも思っちゃいない。

いや、息子を差し置いて優勝するなんて、天と地がひっくり返っても無理な話なのだ。


大会では、縦長のでっかい紙に皆同じ字を書き、字の美しさを競う。

墨のにおいが好きで始めただけの習字。
適当な性格の私は、いつも人の半分のスピードで書き上げてしまう。

実際、字なんてどうでも良かった。墨のにおいが好きなだけだった。


大会の前日に先生から、

『ゆっくり書いたらもっと上手になるよ。』と、アドバイスをもらった。

あまり練習はしてないが、
とりあえず、それだけは守ろうと思った。

そして本番。

息子と隣同士に並び、審査員の掛け声とともに一斉に筆をとる。


「さて、どうやって時間を稼ごうか。」

私の頭の中はそのことでいっぱいだった。

深呼吸したり、目を閉じたり、無駄に時間をかけた。


そして、一文字。

目を閉じる。

二文字。

深呼吸。

三文字。

なかなかいい感じだ。

四文字。

隣の息子を見ると、すでに書き終わっていた。

いつも以上に完璧な出来栄えだった。

あれ?

周りを見渡すと、

みんな書き終わっていた。

やばい。

完全にあたし待ちだ。

みんなの視線が痛い。

急ごう。


最後の文字は急ピッチで仕上げた。

先生と目があった。

愛想笑いをしておいた。


『では、審査に入りますので。自分が書いたものを審査員に見えるように持って、横一列に並んでください。』

みんな横一列になって、審査員に自分の作品を見せる。

落選した人はその場に座っていく。

『はい、あなた座ってー。』

周りの人はどんどん座っていくのに、あたしの名前が呼ばれない。

そして

とうとう私と息子だけになった。


息子は涙目だった。


自分の勝利を確信して、嬉しいのだろうと思った。


『…どうしましょう』

審査員が小声で話し合う。


はやく決めてほしかった。

トイレに行きたくて仕方がなかった。


『遠藤さん』

あー、やっと呼ばれた。

私は続きを聞かずに座った。


『いゃ、遠藤さん、立ってて、
君は、立ってて。優勝だから。』

…しまった。

天と地をひっくり返してしまった。

空気読めてないぜ、あたし。


後悔しているあたしを尻目に
1番偉そうなヒゲじいさんがしゃべりだした。

『素晴らしい!
いやぁ、実に素晴らしい!奇跡の逸材だね!

恥ずかしながら、これほど素晴らしい作品は私でも書けそうにないよ、ははは!』


(そんなことより早くしてくれ、
トイレに行きたい。)


『静と動が、すごく良く現れている。得に、最後の文字の勢い、流れる滝のようだ。素晴らしい。』

(って…え、最後の文字褒められたし!)


『遠藤さん、書き始める前にあなた、目を閉じていましたね?』


「は、はい…」
(時間稼ぎですけど)


『集中しているのがわかりました。』

(うそつけ!
ヒゲじぃさん、うそつけ!
それは時間稼ぎだって!)


『書きながら何を考えていましたか?』


「何も考えてなかったです」

『ん?』


(しまった!

正直すぎた!

また空気読めてなかった!)


「ふ、筆を持つと頭が真っ白になるんです。頭の中が、目の前にある半紙と同じになるんです。

綺麗に書こうとか、そうゆうことは考えませんでした。

ただ、

ただ頭の中に描いた文字を書きました。何も考えてなかったです。」

(と、何かの本に書いてあったような気がします)








拍手喝采。







まさかの天才的発言。


息子、悔し泣き。

しまった。

また空気読めてなかった。

ごめん、息子。



先生の立場なし。

ごめん、先生。


それから、
トロフィーをもらって、
写真を撮られて、
いろんなヒゲじぃさんが寄ってきたが、

私はトイレに行って
そのまま帰った。

あの場に戻れば
帰るのが遅くなっちゃう。


と、空気を読んだ。


その後、息子は書道をやめて
バレーボールの道を選んだ。


そして、


私は


奇跡の逸材のまま、書道教室を去った。

昔の話だ。