あたしにも、親友と呼べる人がいまして。

あたしが言うのもなんですが、彼女ね、変わり者なの。

変わり者ってゆうか、砕いて言えば、少々性格に難有りってゆーかね。


でも親友なのよ。


嫌いな人は嫌い。

イヤなものはイヤ。

欲しいものは欲しい。

何としてでも手に入れる。

女は敵。

男は車。

酒が恋人。

焼酎万歳。


彼女はあたしが唯一認める酒豪です。

ビックリするくらい飲みます。

ハイペースで飲みます。

そして全くもって酔いません。

水でもそんなに飲めないよ、ってくらい飲みます。

あたしは弱くてお酒あんまり飲めません


と、言いたいところですが、そうでもありません。

言うの我慢します。


本当のことを言えば

あたしは、彼女から唯一認められた酒豪です。

普段は飲みませんが、飲み会や付き合いの時は

飲んでも飲んでも酔いません。
(最近は弱いです)

もしかしたら酔ってるかもしれませんが、

酔ってる?なんて気遣いの言葉、人生の中で一度も言われたことありません。


そんなお互いを認めあった者同士の飲み会!

彼女がこっちに帰って来た時は毎回会うんですが

2人揃うと

飲む!

飲む!!

飲むッ!!!



昔から飲む度に、どっちが先に酔うか勝負ね!と言って飲み始めるんですが

今までずーっと互角!

どちらも酔わない!!

最後には

「やっぱり2人とも強いねー」

で、笑って友情を深めて終わるはずだったんです…

そうです

そうなるはずだったんです…


でも…でも…


裏切られたんです。

彼女に。

酒豪な彼女に。



あれは飲み始めて1時間が過ぎたころでした。

それまで普通だった彼女がだんだんと変わっていったのです。


「どぅチャン!!
ドンペリ飲みたくない?
飲もーよ!
ドンペリ入りまーす!」



どどど、ドンペリィ!?

ホストクラブか何かと勘違いしてませんか!?

そもそもメニューにドンペリなんてありませんよ?

しかも、あなたの財布には600円しか入ってませんよね?


「どぅチャン!!
あたしがおらんでも元気にやって行くんよ!
寂しいやろうけどね
ハハハーウケる!」


う…うん。

ウケるって…

あなたとはちょくちょく連絡取り合ってますけどね?

むしろかなりの頻度で会ってますよ?


「どぅチャン!!
そんなんだから普通の彼氏ができんのよ!」


そ、そ、そそ
そうですね、

そうですよね、

ごめんなさい

ってか、

普通の彼氏って何ですかあぁぁあーッ!?


「どぅチャン!!
全然飲んでないやろ?
もしかして酔った?
酔ったと!?」


いゃいやいやいやいやいや


明らかにあなたが酔ったんですって!

頼むからもう飲むのやめてください!!


「どぅチャン!!



…やっぱ何もないや!」


ふぇ…

フェイントですか!?


彼女はもはや、私の知っている彼女ではありませんでした。


それから彼女の強い要望によりカラオケへ…

そこで私は思ったのです。


もう酒豪なんて呼ばない。


酒豪あらため、酒乱と呼ぼうと強く強く心に誓ったのでありました。


カラオケでは彼女のオンステージ…



一曲目 三日月
ニ曲目 三日月
三曲目 タッチ
四曲目 三日月


ど、


どんだけ三日月が好きなんだあぁぁー!!!!!


いや、いやいやいやいや

むしろ


間のタッチは何だったんだーあぁぁー!!!!!


オンステージだけならまだしも、歌いながら からむ絡む!!


エロ親父並に。


拍手しないと怒られ、
携帯でも見ようものならマイク越しに怒られるわで。


散々でした…


こうして、
彼女とあたしの長年に及ぶ、どちらが酔うか対決は、彼女の圧勝により幕を閉じたのでありました。

P.S.

普通の彼氏の前に、
普通の親友が欲しいです。

でも

ものすごく楽しかったです。