幼稚園のころに、ゆうかちゃんという友達がいた。ゆうかちゃんはいつもポニーテールで、あたしのことをまきちゃんと呼び、自分のことをゆうたんと呼んだ。

「まきちゃん、ゆうたんトイレいきたい」

『いいよ、いっしょにいこう』

「いやだ」

断られた。

「まきちゃん、ゆうたん滑り台したい」

『いいよ、いっしょにしよう』

「いやだ」

断られた。

「まきちゃん、ゆうたんあきらくんが好き」

『そっか、あきらくんカッコイイもんね』

「そうでもない」

否定された。

「まきちゃん、ゆうたん幼稚園やめるの」

『え、やめちゃうの』

「いやだ」

あたしもいやだ。

「まきちゃん、ゆうたんのこと忘れないでね」

『うん、ゆうかちゃんも忘れないでね』

「いやだ」


そんなゆうかちゃんから久しぶりに、手紙が届いた。

「まきちゃん、元気ですか。わたし6月に結婚します。よかったら結婚式にきてね。」

招待状と一緒に、ポニーテールのゆうかちゃんと、ちょっぴりあきらくん似の男の人が写った写真が入っていた。
お似合いだ。

さて、返事でも書くかな。










『いやだ』