こんにちは、どにゃです。
長文です。
ご存知の方もいるかと思いますが、数日前にタイトルのニュースを見ました。
カクレクマノミを世界でもっとも有名な海水魚にしたあの映画です。
大海原を自由に泳ぐ魚を、人間の勝手な都合で鑑賞用水槽に閉じ込めてしまう、ある意味その愚を訴えた映画。
この映画を見ると、我々マリンフィッシュキーパーはなんとも言えない気持ちにさせられます。
前作の公開は2003年と実に9年も前の作品ニモかかわらず、ショップに行くと今でも小さい子がカクレを見て『ニモだ!』と喜んでいる光景をよく見かけますね。
中には「ニモ」が種名だと思っている大人も結構多かったり、ファイティングという間違いも多いですね。
でも実はこの人の方が映画の意味を理解してるのかもしれません。(笑)
また、舞台となったグレートバリアリーフにはカクレは生息しておらず、あれはカクレではなくぺルクラ云々・・・なんて記述も見かけますがまぁそれは一旦置いといて。
公開当時も散々言われましたが、心配なのはその「影響力」です。
当時もニュースになりましたし皆さんならご存知でしょうが、映画の影響によるカクレクマノミの乱獲・激減です。
その当時、わたくしは海水魚を飼育しておりませんでしたので目の当たりにはしておりませんが、
きっと日本中、いや世界中の多くの親御さんが子供にねだられ、また喜ばせようと飼育を始めたであろうことは容易に想像できます。
それ自体は海水魚を飼っている以上、否定はできません。(ホントに映画観たのか?とは思いますが・・・。)
ただ、飼育するにあたって飼育書の一冊でも読んでから臨んだ方が一体どれほど居たのでしょうか。
また海水魚飼育の難しさや飼育方法をしっかり説明していた販売店がどれほどあったのでしょうか。
わたくしも家業が商売をしているので、販売する側のキレイごとだけを言ってはいられない気持ちももちろんわかりますが、
さすがに、あまりにも安易に売りまくるような姿勢には憤りを感じます。
確かに、黙ってれば買うお客も難しいと説明すれば購入を躊躇するでしょう。
そうなれば、目の前の利益を逃すことになるのはわかります。
でも、ですよね。
中には、そこからどっぷりとハマり業界に貢献してくれる存在に成長した方も居るでしょう。
UFOキャッチャーのミドリフグもまた然り。
今でも「ニモ飼いたい」って人は多いし、わたくしもブリードですがカクレを飼育しております。
海水魚を飼っている身としては業界が盛り上がるのは単純に嬉しいですし、飼育人口が増えれば飼育者にとっても色々有利になる面もあります。
但し、「量の増加は質の低下」と言われるように、ハヤリモノというだけで考えなしに飛びついちゃう人も多いです。
当時、カクレのブリードがあったかどうかは知りません。
なかったから乱獲・激減したのかもしれません。
そのせいでブリードが開発されたのかもしれません。
もし今なら、ブリードカクレがたくさん売れるでしょう。
じゃあ自然界に影響がないブリードならいいのか?というと、そうとも言えず、
生態系への影響だけが問題なのではなく、やはり安易に飼って死なせてしまうことが悲しいです。
商材だろうが、養殖物だろうが、金魚と似たようなモンだろうが、生き物には違いありません。
せめて長生きするように愛情を持って、その人なりにでいいから努力はして欲しいと思います。
わたくしも天然採取の海水魚やサンゴ、LRを買ってる分際ですので、非難するつもりはありませんし、できません。
それ自体が虐待だ、という意見もあるでしょう。
生態系破壊の片棒を担いでいると言われれば否定はできません。
本当に魚を愛してるなら水槽なんかに閉じ込めるな、と言われれば何も言えません。
続編が公開になった時、どうなるかはわかりません。
上記のことから公開自体に反対の人もいるでしょう。
業界は盛り上げようとするかもしれません。
もしかしたら過去のようなブームなどは起きないかもしれません。
4年も先の話ですし、そもそも公開自体が無くなるかもしれません。
その時にどうなるかはわかりません。
ただ一人の魚飼いとして言いたいのは、安易には飼わないでほしいということです。
何の効力もない単なるお願い(それも傲慢)でしかありませんけどね。
キチンと勉強してから飼うならもちろん賛成です。
皆さんはどう思いますか?