こんばんは。
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いつもありがとうございます。
第36回介護福祉士本試験解説
【問題124:総合問題
(家族への支援)】
についてよろしくお願いします
次の事例を読んで、
問題 123 から問題 125 までについて
答えなさい。
〔事 例〕
Fさん(20 歳,男性)は,自閉症スペクトラム障害(autism spectrum disorder)と重度の知的障害があり、自宅で母親(50歳)、姉(25 歳)と 3 人で暮らしている。
Fさんは生活介護事業所を利用している。
事業所では比較的落ち着いているが、
自 宅に帰ってくると母親に対してかみつきや頭突きをすることがあった。
また、自分で 頭をたたくなどの自傷行為も
たびたび見られる。
仕事をしている母親に代わり、小さい頃から食事や排泄の介護をしている姉は、これまで
Fさんの行動を止めることができていたが、
最近ではからだが大きくなり力も強くなって、
母親と協力しても止めることが
難しくなっていた。
家族で今後のことを考えた結果、Fさんは障害者支援施設に入所することになった。
問題 123 次のうち,Fさんが自宅に帰ってきたときの状態に該当するものとして、
最も適切なものを1つ選びなさい。
問題 124 Fさんが入所してからも月1,2 回は,姉が施設を訪ね,Fさんの世話をしている。
ある日,担当の介護福祉職が姉に声をかけると,「小学生の頃から,学校が終わると友だちと遊ばずにまっすぐ家に帰り、母親に代わって、弟の世話をしてきた。
今は、弟を見捨てたようで、申し訳ない」などと話す。
介護福祉職の姉への対応として、
最も適切なものを1つ選びなさい。
1 「これからもFさんのお世話をしっかり行ってください」
2 「Fさんは落ち着いていて,自傷他害行為があるようには見えませんね」
3 「お姉さんは,小さい頃からお母さんの代わりをしてきたのですね」
4 「訪問回数を減らしてはどうですか」
5 「施設入所を後悔しているのですね。
もう一度在宅ケアを考えましょう」
答え【3】
家族介護や日常生活上の世話を過度に行って
いる若者のことをヤングケアラーといいます。
家族介護の対象は、父母、祖父母、兄妹姉妹などです。
また、ヤングケアラーの支援体制を強化していくため
R6・6〜国・都道府県の努力義務として
明記されました。
小さい頃から
Fさんの身の回りの世話をしていたお姉さんは、
ヤングケアラーということになります。
ここで大切なのは、お姉さんの気持ちに対する
共感的態度です。
1 …適切でない。
2 …適切でない。
お姉さんの気持ちに寄り添った発言とは
思えませんね。
3 …適切。
相手の立場になって理解する
これが、共感的態度ですね。
コミュニケーションは、ここからはじまります。
4 …適切でない。
受け取り方によっては
「私が訪問すると、強度行動障害が出現するの?」
ともなりかねません。
5 …適切でない。
共感の部分を飛び越して、
話が飛躍し過ぎています。
以上のことにより【3】が適切となります。
このタイミングで、
バイスティックの7原則を
おさらいしておきましょう。
〈バイスティック7原則〉
1 個別化の原則
2 意図的な感情表出の原則
3 統制された情緒的関与の原則
4 受容の原則
5 非審判的態度の原則
6 自己決定の原則
7 秘密保持の原則
1 個別化の原則…
個別性を大切にして関わる。
2 意図的な感情表出の原則…
クライエントが感情を自由に
表出できるように働きかける。
3 統制された情緒的関与の原則…
援助者自身の感情を統制する。
4 受容の原則…
クライエントを理解し、受け止める。
5 非審判的態度の原則…
クライエントを裁いたりせず、理解する。
6 自己決定の原則…
クライエント自身が決定できるよう
援助する。
7 秘密保持の原則…
秘密は永久に守る。
解説は、以上です。