双極性障害は躁うつ病とも呼ばれ
躁状態と鬱状態を繰り返す病気です。
一方うつ病は単極性うつ病とも呼ばれ、
抑うつ症状だけがおこる病気です。
この二つの病気は躁うつ病とうつ病という似たような
名前と症状を持っていますが、全く違う病気です。
精神科でもこの二つの病気を区別するのは難しく、
頭の悩ませどころと言われています。
というのも、双極性障害では患者が躁状態に気づいていない
診断で躁エピソードを話さないケースが多いからです。
また、双極性障害には二型の双極性障害というものがあり、
この病気ではうつの状態が強く、躁状態が目立たないのです。
一方、単極性のうつ病でも症状が一時的に良くなる場合があり
この状態のうつ病は双極性障害二型とそっくりなものです。
これらの理由でうつ病と双極性障害の区別が難しくなっているのです。
しかし、それでもやはり双極性障害とうつ病は
発生機序の異なる全く違う状態なのです。
ということはですよ・・・
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双極性障害と単極性うつ病が同時に起こる可能性だって
考えられるではありませんか!
双極性障害とうつ病の区別がつきづらいからといって
それが必ずどちらが一方だということはありません。
双極性障害とうつ病の発生機序が異なるなら
それが併発する可能性だってありえます。
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そして、これが併発するとどうなるでしょう、
双極性障害によって鬱状態と躁状態に波が出ます、
そして単極性うつ病によってそれが全体的に
鬱状態の方向へ引き下げられます。
ということは、鬱状態がますます酷くなり、
躁状態が軽微なものになります。
これはどうでしょう、双極性障害二型の症状と
全く区別が付かなくなります。
つまり、双極性障害二型は、双極性障害単独で起こっているものと、
双極性障害と単極性うつ病の併発で起こっているものに
区別をつけることが出来ない、ということです。
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区別がつかないからって、必ずどちらか一方だと
どうして誰かが考え出したのでしょうか?謎です。
この場合、双極性障害の治療とうつ病の治療を
並行して行うことが必要になるでしょう。
実際の双極二型の治療でも抗うつ剤が使われる場合がありますが、
一般的なうつ病の治療と同様の治療を行ないながら
双極性障害の治療を行なう必要があるでしょう。
区別が付きづらいからといって、どちらか一方だとは限らないのです。