老後に賃貸はなぜ厳しいのか?不動産歴25年・売買1200件超のプロが、オーナー目線と入居者目線の両方から老後賃貸のリスクと住まい選びの考え方を分かりやすく解説します。
こんにちは。
本気不動産の佐藤です。
今日はよく聞かれるテーマ、
「老後は賃貸がダメって本当ですか?」
この疑問について、不動産歴25年、売買1200件超・査定4000件超の現場視点で、できるだけ分かりやすくお話しします。
テレビやネットでは
「老後は賃貸はやめた方がいい」
こんな言い方をされることが多いですよね。
ただ、これは感情論ではなく、現場で実際に起きている事情が背景にあります。
今回は「賃貸派か持ち家派か」という二択ではなく、
**なぜ老後の賃貸が“厳しくなりやすいのか”**を整理していきます。
■ 老後の住まいは「早めに考える」ほど選択肢が広がる
まず大前提としてお伝えしたいのは、
住まいが安定すると、老後の不安は一気に減るということ。
住まいが決まると
・毎月の支出が見える
・引っ越し不安がなくなる
・健康・生活リズムが安定する
逆に、住まいが不安定だと
お金・健康・人間関係まで、連鎖的に不安が広がります。
■ なぜ老後の賃貸はNGと言われるのか【オーナー側の本音】
① 高齢単身者は「使い方リスク」を見られる
特に高齢単身男性は、
掃除・衛生管理が行き届きにくいケースが多いのが現実です。
もちろん例外はあります。
ただ、体力低下により
・汚れが蓄積
・退去時の原状回復費用が高額
になりやすく、オーナーが警戒します。
② 年金収入だけだと「支払い不安」が残る
家賃そのものよりも怖いのが、
・医療費
・介護費
・急な引っ越し費用
年金のみの収入だと、突発的な支出への耐性が弱く、
オーナーは「長く安定して住めるか?」を慎重に見ます。
③ 保証人問題で入居できない
高齢になると
・保証人がいない
・身内が高齢
というケースが増えます。
保証会社を使えても
条件・費用が厳しく、結果的に審査で落ちることも少なくありません。
④ 喫煙・原状回復費用リスク
喫煙による壁紙・臭いは、
経年劣化ではなく借主負担になります。
数十万円単位の請求が発生することもあり、
資金余力がない高齢者は、最初から敬遠されがちです。
⑤ 孤独死リスクはオーナー最大の懸念
特殊清掃、空室期間、物件価値低下…。
賃貸経営はボランティアではありません。
孤独死リスクが高いと判断されると、
入居自体を断られるのが現実です。
■ 入居者側から見た「老後賃貸」の7つの落とし穴
・階段がつらくなる
・冬の寒さ・夏の暑さが体に堪える
・老朽化しても修繕してもらえない
・引っ越したくても次が見つからない
・引っ越し費用が出せない
・情報不足で判断が遅れる
・相談相手がいない
これらが重なると、
住環境が悪化しても動けないという状態に陥ります。
■ じゃあ、どう考えるべきか?
私が一貫してお伝えしているのは、
✔ 賃貸か購入かの二択ではない
✔ 「買えるなら持ち家」は老後の安定につながりやすい
✔ 年金でも住宅ローンの可能性はゼロではない
という現実的な考え方です。
家賃は
・値上げされる
・退去を求められる
でも、持ち家は
固定費が読める
住まいを失うリスクが低い
これが老後においては大きな差になります。
■ まとめ|老後の住まいは「元気なうち」に決める
老後の住まいは、
「困ってから考える」では遅いケースが多いです。
・階段の有無
・建物性能
・立地
・資金計画
これを働けるうちに整理することが、
後悔しない最大のポイントです。
「自分はどうすべきか?」
迷ったら、いつでもご相談ください。