「ありがとう、心の友よ!」
小学生の男の子がマウンテンバイク風の自転車を漕ぎながら、友達との別れ際にそう叫んだ。
心の友。
彼の10年にも満たないその未熟な人生に、彼自身の心の闇や心の弱さを含め全てを相手にさらけ出し、また同時に相手のそういったところも受け入れるだけの「心の友」と呼べる関係を築くための、人生の皺のようなものがはたしてどれだけあるというのだろうか?
「ありがとう、心の友よ!」
少年が発した何一つ悪気のないその言葉。
その言葉の重み、そして意味の深さにはあまりにもアンバランスなその少年の、皺一つないあどけない顔をすれ違い様に見た時、「ふふっ・・・」と妙におかしさがこみ上げてきた。
