動画サイト「The Game Gallery」の管理人、HAL99さんが企画するアドベントカレンダー2021年12月23日向けにブログ記事を書きました。
カレンダーのリンクはこちらです。
ボードゲームに関わるエトセトラ Advent Calendar 2021 - Adventar
こんにちは、当ブログの執筆者 ドミッチ(Domi)と申します。
どうぞよろしくお願いします。
前日22日のtottoko osさんのブログには圧倒されました。
アメコミ、マーベル愛が満載の内容で、とても素晴らしい記事です。
ただ、22時過ぎてもアップされなかったので、少しドキドキして待っていました。(笑)
♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪
さて当ブログを初めてご覧になる方もいらっしゃると思いますので、改めて簡単にご案内します。
このブログでは小生の考案した創作ゲームを紹介しています。
出来の良いものもあれば、不出来な作品もあります。まあゴチャまぜです。(笑)
コンセプトは出来るだけ手近かにある道具(トランプ、ダイス、簡単な印刷物)で遊べること。トランプがメインですので、トリックテイキングゲーム(トリテ)が多めとなっています。
そんな小生が今回のアドベントカレンダー用に選んだテーマは
■今年考案したトリックテイキングゲーム■
今年も何件かトリテを考案しましたので、創作に至った経緯などを軽くエッセイ風にまとめてみました。
予めお断りしておきますが、なかには実際にプレイしていないモノも含みます。
単に考案しただけのモノもあります。
なにしろコロナのせいでテストプレイする機会が全くなかったので。(言い訳モード)
また、昨年の「ロボトリック」のように特に話題になったゲームもありません。
トランプゲームですので華やかな写真もありません。
のんびり気ままに適当に書きますので、どうかご容赦願います。
■ゲームを思い付くタイミング■
トリテに限らず、ゲームのアイデアを思い付くキッカケは色々あると思います。
システムを練りに練りこみ、テストプレイを繰り返して大作ゲームを作る方々には本当に尊敬の念をいだきます。
ただ私の場合は「壮大なテーマのゲームシステムを構築する!」 みたいな大それた事は無くて、以下の4つのパターンで始まることが多いようです。
1,他のゲームのアレンジ、または組み合わせ
2,アイテムや素材から思いつく
3,まずタイトルありき
4,突然天から降りてくる(笑)
それでは上記に従って順番にご紹介します・・・
■他のゲームのアレンジ、または組み合わせ■
作品『ハチハチトリック』
アレンジした作品での代表作は製品にもなった「ロボトリック」でして、あれは「コントラクトブリッジ」からヒントを得ているんです。
「カムレッド」なんかも、「パンデミック」のような協力ゲームが流行り出したのが思いついたキッカケだったりします。
(「ロボトリック」「カムレッド」については当ブログ記事をご参照ください)
表題の「ハチハチトリック」は花札の「八八」をアレンジしたものですけど、実は元の発想は「カマリ」というトリテなんです。
「カマリ」 おもしろいですよねぇ。
他人数トリテで手札はわずか3枚。勝負に参加するかどうかを決めるルールは秀逸。
手札が弱ければ序盤の低得点エリアでプレイに参加。
強いと思えば後半に参加する。
どのタイミングで参加するかの駆け引きも楽しいです。
出るか降りるかを選択するルールは「八八」にもあったりするので、「カマリ」みたいにこれをトリテに組み込んだら面白くなるんじゃないかと。
だってそもそも出降りのルールって面白いから、まあ外れは無いだろうと思いました。
普通トリテで勝とうとする場合「手札の強さ」つまり勝てるカードを多く持っているかどうかが大切ですよね。
でも八八の場合、出降りを判断する根拠はカードの組み合わせによる「手役」が有るか無いかでも決まるんです。
だからこのトリテにも手役を用意しなければなりません。
丁度うまい具合にトランプには「ポーカー」というゲームがあって、それには手役があるじゃないの。
これは採用しない手はないよね。
手札7枚にすれば7スタッドポーカーと同じ。
ワンペア、ツーペアとかの手役の強さも調整済みだからそのまんま使えるし、基本的なルールは「八八」をそのままパクれば良いので、まとめるのは楽ちんでした。
ルールはこれも当ブログに公開済みですので、気が向いたらご参照ください。
と言う訳で手役の点数だけをサクッとまとめて11月のJAGA例会でテストプレイ。
コロナで月例会が中止になって以来ですので、実に約2年ぶりにテストプレイに漕ぎつけたのです。
その時はメンバーに「八八」経験者もいたこともあってまあまあの評判でした。
と、ここまでは良かったのですが・・・
調子にのって12月の例会でも、今度は「出来役」(トリックプレイ中にカードを獲得することで達成できる役)のルールを作って持ち込んだところ、これが大失敗。
「手役を公開します、切り札のフラッシュ!!」
なんと強烈な手役。当然トリックも切り札刈りでバンバン取るし、出来役もバンバン出来る。
たまたま出ていた私はあっと言う間に破産の憂き目にあってしまいましたとさ。
あまりに大味になってしまって、出来役の設定はちょっと調子に乗りすぎたかもしれません。
何事もバランスが大事ですな。
(ブログのルールを読まれてプレイして頂き、レポートをTwitterに挙げて下さった方もいらっしゃいます。サマリーまで自作されて、参考になる意見も頂きました。この場を借りてお礼申し上げます。ありがとうございました。本当に嬉しく思います。)
「ハチハチトリック」の他にも「キャット・イン・ザ・ボックス」に発想を得たトリテを思い付いたりしています。
スートの無い数字だけのカードが手札で、プレイする時にスートを決めていくルール。
よくこんなルールを思い付くなぁ、と感心しつつもその発想力を羨ましく思います。
→思いついたのは最終的に数字カードも無くして紙にスートと数字を書き込んでいく「紙ペントリテ」
紙ペンゲームも最近の流行だしね。(笑) これは来年の宿題かな。
■アイテムや素材から思いつく■
作品『トラベルトリック』
コロナも少し落ち着いてきたある休日の午後のこと。
(今日は予定も無いし暇だなぁ。久しぶりにヨドバシでもぶらぶらするか・・・)
川崎駅前のヨドバシカメラ4Fにはアナログゲーム売り場のコーナーがあります。
実はここで買ったのはD&D第5版のプレイヤーズハンドブックとポーカーチップくらいしかないんですけど、雑多に陳列してあるゲーム棚を見て歩くのは結構好き。
ここはトランプの品揃えもそれなりにあったりします。
トリテのルールをあれこれ考えているうちに、トランプもBicycleやBeeだけでなく、色んなカードに目が向くという習性が身に付いてしまっています。
100均のトランプなんて何組買ったことか。
そんな中でふと目に留まったのが
「日本の名所トランプ」
(はて、こんなトランプがあったのか。うう~ん)
これは何かトリテの素材にならないものだろうか?
トリテ創作者の悲しい性(サガ)であろうか、つい手に取って購入してしまったのが今から約半年前の事。
カードには各都道府県の名所があり、綺麗な写真がレイアウトされています。
一枚一枚すべての名所カードを並べているうちに、トリテをやりながら日本一周をするアイデアが浮かんできました。
なんて夢とロマンのあるトリテだろうか。旅行好きの自分としては是非ともものにしたいトリテだ。
早速遊び方を考えてみよう。
旅行をするには交通手段が必要。
と言う事で1~5までのトラベルカードを用意。
トラベルカード(移動カード) イメージとしては
1=徒歩
2=自転車
3=自動車
4=新幹線
5=旅客機 という感じです。
これを手札にして、1枚プレイしたらその数字だけ並べられた名所トランプの上をトークンが移動する訳です。
止まったカードには松島や姫路城などの観光名所のイラストが描かれています。
観光旅行を楽しむ雰囲気がバッチリですね。
各名所はトランプなので数字やスートもあります。
トリテのルールに則って以下のプレイヤーもフォローすることになります。
リードが3を出してカードの上を3枚分進む。
そのカードがスペードだったら、他の人もスペードをフォローしなければならないので、該当する数字カードを出して進みます。
止まったところのカードをゲット。
勝った人が次のリード。
最終的にセットコレクションで得点を競う。
そんなイメージが出来上がり。
これも11月のJAGA例会でテストプレイ。
まあまあの出来具合ではあったのですが、致命的な欠点が発覚。
参加メンバー全員が老眼なのでカードがどこの名所なのか判別できない!
「やった、富士山をゲット。 ・・・と思ったらこれは羊蹄山じゃん」 といった始末。
いやはやこんなところに弱点があったとは。テストプレイにご協力頂いた方からは
「次回までにインデックスを貼って判るようにすること!」と厳命されてしまいました。
でも次があるのだろうか??
こうしたアイテム探しも割と楽しくて、100円ショップを巡るのも大好きです。
一人で玩具コーナーをウロウロしているオッサンを見かけたら、それは私かも知れません。
恥ずかしいので決して声を掛けないでくださいね。
■まずタイトルありき■
未作品『アルジャーノン』
これはテストプレイさえもしてないので、全然モノになっていないんです。(爆)
もうタイトルでお判りですね。
ダニエル・キースの傑作SF「アルジャーノンに花束を」から発想しています。
小説の内容を簡単に述べると
知能に障害のある青年が実験のおかげで高度な知能を得て行くのですが、究極の高みに到達した後、徐々にその知能を失っていき以前の状態に戻っていく物語。(ミもフタもない言い方ですみません)
システムとしては、始めの内はトリックを獲得するとプラス、ある分岐点を境にマイナスとカウントするトリテ。前半はプラスを獲得して知能が上昇、後半はマイナスを獲得して知能を失う。
どうですか、アルジャーノンらしいでしょ。(笑)
12枚手札で最初の6トリックはトリックを取るとプラス、後半の6トリックは逆にマイナスとカウント。
最終的にプラマイ0点にするのが目標という内容。
前半+1 → 後半-1=プラマイ0なら得点は2点。
前半+2 → 後半-2=プラマイ0なら得点は4点。
多く取って多く戻したら高得点。ただし
前半+2 → 後半-1=差が+1なら 2点-差の絶対値1で1点。
もちろんトリックを1つも取らないと-6点とか、12枚ではなく13枚手札にしてゼロサムにならないようにするとか。
この辺のバランスはテストプレイしたいところ。
そもそもこれで面白いのかどうかが全然わからない。
けれど、SF好きな人ならこのタイトルだけで喰い付いてくれそうな気もします。
いや、もう既に何人かが喰い付いているはず。(笑)
他にも「トリテの鬼」というタイトルを思い付いています。
これはもちろん「鬼滅の刃」が発想元。どうアレンジしようか思案中なり。
これも来年以降の宿題ですが、鬼滅のブームがいつまで続くかが課題ですかね。
■突然天から降りてくる■
天啓というやつですね。
なんだか宗教染みていますが、実はこれが一番ゲーム化しにくいパターン。
アレンジする元ゲームも無いし、アイテムや設定も不明。
まさにアイデアだけなので、これをどうゲームに創り上げるかは総合的な構成力が必要なんだと思います。
実はここが自分の苦手な分野だったりするので、結局思いつきだけで終わってしまうネタが結構あったりするんです。
しかも思いついたアイデアをメモに残しているんですけど、暫らく経ってメモを見ても内容を全然思い出せないんですよね。
もっとしっかりメモしろよ!>自分
そんな中でまあ少しはマシかなと思うのが・・・
未作品『ウイン&ロス』(仮題)
こいつは正真正銘、突然思いついたトリテです。
配られた手札のうち勝つカードと負けるカードを予め分けて決めておき、その通りに勝ち負けすることを目指すトリテ。
勝つトリックをビッドするトリテは幾つかありますが、勝つカードまで指定する訳ですね。
細かいルールは煮詰まってないので、どこかでテストプレイしてみたいトリテではあります。
(どこかに似たルールのトリテがありそうな気もしますが・・・)
■終わりに■
そんなこんなで、長々と与太話にお付き合いいただきありがとうございました。
カレンダーの他の方々のように緻密で有益な記事に比べると、全く一人よがりの内容で大変お恥ずかしい限りです。
とは言え、自分にはこんな自虐ネタくらいしか書くモノが無いのも確かですのでお許しください。(苦笑)
恐らくHall99さんの企画がなければ恥を忍んで書く事も無かったと思います。
改めて感謝申し上げます。是非またゲームご一緒お願いします。
ついでにテストプレイのお付き合いもよろしく。
♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪
そして明日のカレンダーご担当者はikoan_kfaさんです。
はて、どこかで目にしたお名前ですが・・・って、よく調べたら何とニコさんじゃないですか!
当代随一のボードゲームブロガーであるニコさん担当の前日にこんなショウモナイことを書いているとは、本当に穴が有ったら入りたい・・・
何気なくこの23日を選んだのですが、もしかして他の方々はニコさんの前日を避けて選んでいたのかも?
その時から既に戦いは始まっていたのですね。迂闊でした。(笑)
と言う訳で、まさにカレンダーのラス前に相応しい超大物、ニコさんの「今年のベストゲーム」に続きます。
どうぞご期待ください!