告ぎのふたつの方法をとればよい。
即時解雇したければ、「解雇通告書」を渡して、「解雇予告手当て」を一か月分、振り込む。
または、一ヶ月前に、告知すればよい。
これでなんの問題もない。
ところが、大手の会社で、資金の潤沢な場合は、この方法を取るが、中小企業の場合は、実際には違う方法を取る。
まず、「あしたから、こなくてもいい」と言う。
次に従業員の自宅に「未記入の退職届」を送りつけて、記入して送るように、と指示書を出す。
案外、これで、従業員は、未記入の退職届けに署名捺印して、提出するのである。
普通の人は、労働法も雇用保険法も知らないからだ。
場合によっては、人事担当者が、「一身上の都合」と書けば、有給休暇を買い上げるから、と甘い言葉で誘う。
従業員のほうは、「自主退職」だと3ヶ月待機になることも知らないし、「会社からやめさせられる」よりも、「自分から、事情があってやめるほうが、世間のとおりがいいのかな」くらいに思って、自主退職に応じる
。
会社がなぜ、自主退職させたいかというと、
1.解雇予告手当てを出したくない。
2.雇用したくない人間を一ヶ月抱え込む配置先がない。
3.自主退職以外には、「勧奨退職」と「解雇」があるが、このふたつは、6ヶ月間に3例を超えると、求人にかかるコストの助成金がカットされる。
だから、会社はあらゆる「だまし」や「法に無知な従業員」をわなにかけて、「自主退職」させようとする。
もし、自主退職が自分の利益にはならないと知って、退職届を書かなくてもそう簡単にはいかない。
よく「退職届けを絶対書くな」という助言を目にするが、それは正社員が勧奨退職を拒絶したい場合の話である。
とくに、パートタイマ-の場合、会社は、自主退職を拒んで、労基署に駆け込んだ場合には、従業員としては、すでに、「追い込まれ感」があるのだから、「退職の意思」はあるのだが、「会社からのすすめ」か「解雇」という形式を求めているのである。
ところが、こうなると、会社は、「やめさせるつもりはないんだ」と主張を変えればよい。
こう云われてしまうと、いままでの経緯で、その会社への信頼関係を失っている従業員は、「いや、抱え込まれても困る。辞めさせてほしい」と考える。
これが会社の思うツボで、「じゃあ、自主退職だね」と言う方向に持っていくのである。
労働局や労基署には、「本人が、会社から、退職届を書けと言われたから気分が悪くなった」という感情は関係がないし、復職なら、いいことですね、と言われてしまうからだ。
こうならないためには、従業員は、会社の都合のよいように、怠りなく精励すればよいことになるが、実はそんなのは、建前で、人間そんなに立派にはできていない。
だからこそ、公務員や大企業では、毎日全国で無数に、「始末書」が書かれている。
つまり、パートタイマーというのは、「始末書」なしで、上に書かれたような手口で、「自主退職」におきこまれる危険性につねにさらされているわけだ。
、