「朴槿恵(パク・クネ)大統領の“統一外交”に関する発言で、韓国外交の座標をめぐる議論が再燃している。朴大統領は、中国の軍事パレードへの出席を通じ て、超大国の間で新バランス外交の可能性を披露したという評価を受けた。しかし、その直後、韓国外交の直接的な目標として「統一」を提示するなど、外交的 なバランス感覚における異常な兆候を露呈させた。「北朝鮮の急変事態」などに対する過度な期待で冷静な座標認識に失敗し、韓国外交の“漂流”の可能性と共 に南北関係の不安定性を高めたという指摘もされる。」
4日の記者会見の内容に戦慄した左翼メディアはあわてて6日には、左派の学者にチョン・ソンジャン世宗研究所統一戦略研究室長は6日、「統一のために、関係国との対話も重要だが、何よりも重要なのは南北当局間の直接対話」だとし、 「南北が『低い段階の連合』に達するどころか、まだ敵対的な状態から抜け出せずにいる状況で、統一に対する周辺国の支持を求めることについて、果たして周 辺国にどのぐらい共感してもらえるかが疑問だ」と述べた。・・・などと言わせて、パククネの北朝鮮敵視を批判する。
「朴大統領は習近平主席と10月の終わりから11月初めを目途に、韓中日首脳会談の開催に合意したことと関連して「日本がまだ歴史認識について前向きな姿勢 を示していない状況だが、『北東アジアの平和のためには大乗的な見地から取り組む必要がある』と提案し、習主席がそれに同意した」と述べた。朴大統領は、 「今後、韓中日首脳会談を実現するために、おそらく、日本側とも協議したうえで、日程を決めることになるだろう」と付け加えた。」
「大乗的な見地から取り組む」とは、日本との妥協も辞さないと言う意味であるが、そのことがこの時点で韓国左翼メディアにはピンとこなかっようだ。 さらに朴大統領は、上海臨時政府庁舎再開館式に関して「韓中両国が共に困難を克服した患難之交(困難な時に共にした友人)の歴史を思い起こす良い契機にな るだろう」とし「中国政府と地方政府が上海臨時政府庁舎と重慶光復軍総司令部、ハルビン安重根義士記念館など中国各地の韓国独立運動史跡の保護に積極的に 協力したことに深く感謝申し上げる」と明らかにした。
また「韓中関係を未来指向的に今後も発展させていくならば、『中国夢』(中華民族の偉大な復興)と『第二の漢江』(ハンガン)の奇跡を成し遂げる上で役立 つだろう」と述べた。 パククネは上記のように中国をおだてあげてみせて、北朝鮮を見捨てる政策を取るように中国に示唆し、同時に反日姿勢を見せることによって、韓国の左翼メディアを安心させた。
しかし、次第に韓国メディアは、パククネは中韓貿易の円滑化のために最大限に中国に媚を売っていたにすぎず、韓国の対北朝鮮強硬姿勢の「始まりの始まり」に他ならないことに震撼する。 9月3日の時点で韓国メディは、パククネが中国の抗日戦勝記念式典に参加したことを、次のどれなのか、計りかねていた。
1.韓国は米国の言う事を聞かず、独自外交をできる誇り高い民族国家だということを証明した。 2.パククネは自分が中国の横に並ぶことによって、北朝鮮に決定的な嫌がらせをし、中国に対しても、韓国との貿易の利益を享受するだけではなく、韓国との貿易の利益を重要と思うなら、北朝鮮を見捨てよ、と言ったに等しいのではないか。
このふたつの見方のどちらが妥当なのかは、12月の日韓合意とその後にはじまった韓国国内の米軍の配備交渉で明らかになる。 韓国左翼メディアは以後、中国との融和、北朝鮮との対話を韓国政府に強く求めるようになり、そしてこれを聞き入れないパククネ政権を次期選挙で倒すよう、死に物狂いで言論戦に挑む決意を固めることになる。
ハンギョレの9月3日の時点での考え方
3日午前10時(現地時間)、秋の青空を背景に高く聳える天安門城楼の上に朴槿恵(パク・クネ)大統領が立った。 左にロシアのウラジミール・プーチン大統領と習近平・中国国家主席が立っていた。 韓国の首脳が、かつて適国だった中国とロシアの首脳と並び、90分間繰り広げられた中国人民解放軍の大規模軍事パレード(閲兵式)を見守った。
韓国の首脳が天安門の城楼に上がったのは初めてだ。 61年前の1954年10月、この場所に立ったのは金日成(キム・イルソン)北朝鮮首相だった。当時の金首相は毛沢東・中国国家主席のすぐ隣に立って高ら かな笑いを見せて中国建国5周年記念閲兵式を見守った。
これは1年ほど前に終結した朝鮮戦争で数十万人の中国軍が参戦して、血を流して積まれた朝中友誼の象徴的場面として残った。 当時、新生中国は5年または10年毎の節目としては最初の建国記念日を迎え閲兵式を行った。 それから61年、中国は「抗日勝利70周年」記念を名分に大国崛起と復興を雄弁に語る類例のない大規模な閲兵式を準備した。 この日、朴大統領の天安門城楼登頂は、大きく変わった韓中および朝中関係、ひいては東アジアの力学を表象する歴史的場面として残る可能性がある。
東アジア情勢激動…「均衡外交」今後が重要 朴大統領は黄色のジャケット姿でこの日午前9時36分、主催者の習主席の左側に立って、城楼に向かって移動した。習主席の右側のプーチン大統領まで三首脳は並んで先頭に立って城楼の階段を上がった。 朴大統領の閲兵式参観は、朴槿恵政権の外交がまだ経験したことのない道につながる階段の一歩を踏んだという意味も持つ。 朴大統領は米国の同盟国首脳としては唯一人城楼に立った。
今回の閲兵式を快く思わない米国内の反発を押し切った決定だった。 キム・チャンス・コリア研究院長は「米国は今回の閲兵式が東アジア覇権の競争国である新興中国の崛起を象徴する行事である点と、何よりも米国のミサイル防 御(MD)体系を無力化しうる中国の新型兵器が誇示されるという点を憂慮したと見られる」と話した。
実際、中国はこの日“空母キラー”として知られる「東風21D」ミサイル、タンク、戦闘車両、大砲など40種余り、約500の最新兵器を披露して軍事力を 誇示した。 キム院長は「韓米日が連動するミサイル防衛体系の構築を、中軸として中国牽制のための韓米日三角共助体制構築を急ぐ米国としては、韓国の閲兵式出席を僅か であっても共助離脱の可能性を示す信号として受け止めることもありうる」と付け加えた。
唯一の同盟国である米国の否定的ムードにもかかわらず朴大統領は閲兵式出席を選んだ。 「韓国が自らの観点で外交的な空間を作り出す第一歩を踏み出したと見ることができる」(ヤン・ムジン北韓大学院大学教授)、「韓国がそれなりの独自外交空 間を持っていることを米国、中国、北朝鮮などに示すもの」(イ・ナムジュ聖公会大教授)などの評価が出ている。
朴大統領の選択は、東アジア国際政治に一定の波紋を投じたと見られる。最大の衝撃波を受けるのはやはり北朝鮮だ。 金正恩労働党第1書記の特使資格で訪中した崔竜海(チェ・リョンヘ)書記はこの日、城楼参観隊列の右端から二番目に立った。 ヤン教授は「北朝鮮は衝撃を最小化するため、朴大統領出席場面などは徹底的に報道を統制するだろう」としつつ「閲兵式行事が開かれたという事実だけを短 く紹介する可能性が高い」と話した。 中国、日本、米国にも東アジアで影響力を持ち出した韓国の戦略的価値を新たに示す機会になったという分析が出ている。