1. Good Timin' 
(Brian Wilson/Carl Wilson)
2. Lady Lynda 
(Al Jardine/Ron Altbach)
3. Full Sail 
(Carl Wilson/Geoffrey Cushing-Murray)
4. Angel Come Home 
(Carl Wilson/Geoffrey Cushing-Murray)
5. Love Surrounds Me 
(Dennis Wilson/Geoffrey Cushing-Murray)
6. Sumahama 
(Mike Love)
7. Here Comes the Night 
(Brian Wilson/Mike Love)
8. Baby Blue 
(Dennis Wilson/Gregg Jakobson/Karen Lamm)
9. Goin' South 
(Carl Wilson/Geoffrey Cushing-Murray)
10. Shortenin' Bread
(trad. arr. Brian Wilson)

Originally Released Mar. 19, 1979
Produced by The Beach Boys, Bruce Johnston
and James William Guercio

1979年、ピンクレディは「Kiss In The Dark」で
全米デビューを果たした。
この年、ピンクレディはThe Village PeopleのIn the Navy
日本語カヴァした「ピンク・タイフーン」を出し、
続く「波乗りパイレーツ」はLA録音にチャレンジして、
なんとThe Beach Boysがバック・コーラスを務めた。
それで満を持して、全米デビューとなった。

「Kiss In The Dark」はビルボードで37位まで
行ったということだが、ピンクレディの魅力は、
阿久悠さんの意味を排除した歌詞にあった。
意味がないから暴力的に見えて、
カッコよさを生んでいたわけです。
阿久悠さんのような人が世の中に何人もいるわけがなく、
阿久悠さんの歌詞も一緒に持っていくべきだった。

 

 

The Beach Boysとピンクレディの邂逅は、時期的には
このL.A.のレコーディング中と重なる。
ピンクレディがきっかけだったのか、ジャケットには
おかしな日本風のイラストがあしらわれ、
またアルバムにはSumahamaという歌もある。
砂浜の誤植ではなく、神戸の須磨を指している。

77年にDennis Wilsonはソロ・アルバムPacific Ocean Blue
リリースし、78年には2枚目のアルバムを完成させたが、
コマーシャル性に欠けるとしてレコード会社に拒否された。
本作のデニスによる素材は、そこからのもの。

同時にCarl Wilsonもソロ志向を持っており、
72年のSo ToughでBlondie ChaplinとRicky Fataarを
担ぎ出したように、独自路線をいっている。
しかもBrian Wilsonはバンドの運営にもはや興味を示さず、
このアルバムでもほんのちょっとピアノに触る程度。
もはやAbbey Road期のThe Beatlesみたいだが、
The Beach Boysは依然として解散していないことになっている。

メンバー間の意思疎通がバラバラなため、
このアルバムも聴きどころに乏しいが、
冒頭2曲は枯れてもThe Beach Boysといった風。
2曲目Lady Lyndaは、J.S.バッハの
「主よ、人の望みの喜びよ」をアダプトしたポップ・ロック。