1. Tourist Point of View
(Duke Ellington/Billy Strayhorn)
2. Bluebird of Delhi (Mynah)
(Duke Ellington/Billy Strayhorn)
3. Isfahan
(Duke Ellington/Billy Strayhorn)
4. Depk
(Duke Ellington/Billy Strayhorn)
5. Mount Harissa
(Duke Ellington/Billy Strayhorn)
6. Blue Pepper (Far East of the Blues)
(Duke Ellington/Billy Strayhorn)
7. Agra
(Duke Ellington/Billy Strayhorn)
8. Amad
(Duke Ellington/Billy Strayhorn)
9. Ad Lib on Nippon
(Duke Ellington)
Dec. 19 - 21, 1967
Cat Anderson, Cootie Williams - trumpet
Mercer Ellington, Herbie Jones – trumpet, flugelhorn
Lawrence Brown, Buster Cooper, Chuck Connors – trombone
Johnny Hodges – alto saxophone
Russell Procope – alto saxophone, clarinet
Jimmy Hamilton – tenor saxophone, clarinet
Paul Gonsalves – tenor saxophone
Harry Carney – baritone saxophone
Duke Ellington – piano
John Lamb – bass
Rufus Jones – drums
Duke EllingtonにはCaravanやSolitude、
In a Mellow Mood、Take the A Trainと
多数のヒット曲、代表曲があり、
そういうものを纏めたコンピレーションも
星の数ほど存在する。
それらヒット曲、代表曲の多くは、
1927年からの『コットン・クラブ』時代、
Billy Strayhornと出逢い、
Ben Webster、Jimmy Blantonが在籍した
1939年から42年頃までに多数生まれ、
殊に39年からの4年間はエリントンの黄金時代と
もっぱら見なされています。
勿論それらを聴くだけでもエリントンの音楽は
充分に楽しめるけれども、エリントン、
そして宿命の出逢いともいえるBilly Strayhornの真価は、
単なるヒット曲製造を超えていた。
2人が終生腐心したのは、サウンドである。
全てが効果的に有機しあうサウンド。
つまり単なるグッド・メロディ、グッド・フレーズには
興味がなかった。
そうして到達したのが組曲化なのである。
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1963年にアジアへの演奏旅行に出掛けたエリントンは、
それぞれの訪問先の印象を基にした音楽をスケッチにし、
それをこうして纏めた。
その中には、64年の日本ツアーにちなんだ
Ad Lib on Nipponもあった。
緻密なアンサンブル、展開のTourist Point of View。
56年のニューポート・ジャズ祭で伝説の27コーラスを
かましたPaul Gonsalvesは、ここに至って
新たな傑作ソロをここに刻んだ。
片やJimmy Hamiltonのソロが光る
Bluebird of Delhiは、
インドの「印象」を描くものと思いきや、
バックについてるリフはブルースなのである。
そして後期エリントンを代表する名曲Isfahanへ。
Johnny Hodgesのうっとりするアルトを
フィーチャーしているわけですが、
勝手気まま、まるで鼻歌のようなソロだが、
これがあるべきところにあるべき音があるようになっている。
これこそエリントンのマジックだ。
Take the A Trainのリフを拝借したDepk、
一瞬Herbie Hancockかいな?と思わせる
ピアノ・ソロで始まるMount Harissaでは、
またもやPaul Gonsalvesが貫禄のソロである。
「極東のブルース」と名付けられたBlue Pepperは、
James Brownを通過した耳にはやや古風に響くが、
Cat Anderson、Johnny Hodgesの名人技に痺れる。
Harry CarneyのバリサクをフィーチャーしたAgra、
Caravanのリフを拝借したAmadでは、
珍しく雄弁なエリントンのピアノが聴かれ、
「さくらさくら」のイントロから始まるAd Lib on Nipponへ。
日本を想起させるのはその冒頭部だけで、
ただひたすら創造的になれるかを試している。
ここでのJimmy Hamiltonは、かつてのゴンサルヴェスの
27コーラスに並び立つものだし、エリントンの美しいピアノたるや!
桜の花がひらひら舞う様が思い浮かぶ。
遺作となったこのアルバムでBilly Strayhornの音楽は
洗練の極みに達し、一見シンプルでありながら、
複雑精妙なアンサンブル、耽美的で雄大なサウンド、
しかもJohnny HodgesやPaul Gonsalves、Lawrence Brownら、
名うての達人ミュージシャンによる卓越したソロ‥
エリントンが66歳で辿り着いた至高の境地がここにある。

