1. Jokerman
(Bob Dylan)
2. Sweetheart Like You
(Bob Dylan)
3. Neighborhood Bully
(Bob Dylan)
4. License to Kill
(Bob Dylan)
5. Man of Peace
(Bob Dylan)
6. Union Sundown
(Bob Dylan)
7. I and I
(Bob Dylan)
8. Don't Fall Apart on Me Tonight
(Bob Dylan)

Originally Released Oct. 27, 1983
Produced by Bob Dylan and Mark Knopfler

髭をたくわえている。
infidelは異教徒を意味し、ディランが
ボーン・アゲイン・クリスチャンから
ユダヤ教徒に回帰したことを、その髭と共に示している。

ディランはアメリカを体現しているといわれるが、
それは、ニューヨークはアメリカではないという
気づきから、ナッシュヴィルを手始めに、
ディープサウスからメキシコとの国境線まで、
どんどん踏み入っていったからだ。
それは知性を毎度更新し続ける旅でもある。

 

INFIDELS INFIDELS
 
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1983年のThe Rolling StonesのアルバムUndercover
Mick Jaggerは、Sly & Robbieを共演者に選んでいたが、
同じ年、ディランもこのアルバムで彼らを起用している。

ドラマーのSly DunberとベースのRobbie Shakespeareから
成るこのコンビは、レゲエ・シーンを代表する
リズム・セクションだが、同時にアメリカのソウルから
ロック、カントリー・ミュージックまで、幅広い
音楽ジャンルを網羅しているので、レゲエ以外の
ミュージシャンとも積極的にコミットできた。

そしてSlow Train Comingで共演したDire Straitsの
Mark Knopflerを共同プロデューサーに、
また元ストーンズのMick Taylorをギタリストに迎えた。
つまりアメリカにコミットできるモンスター・ギタリストと、
売れっ子レゲエ・チームが、このアルバムのディランを
支えているのだった。

しかしミックがSly & Robbieとの共演を
(キースとの仲が険悪になってまでも)
用意周到に準備していたのに対し、
ここでのディランは、道半ばといった感が否めない。