1. Miss You
(Mick Jagger/Keith Richards)
2. When the Whip Comes Down
(Mick Jagger/Keith Richards)
3. Just My Imagination (Running Away with Me)
(Norman Whitfield/Barrett Strong)
4. Some Girls
(Mick Jagger/Keith Richards)
5. Lies
(Mick Jagger/Keith Richards)
6. Far Away Eyes
(Mick Jagger/Keith Richards)
7. Respectable
(Mick Jagger/Keith Richards)
8. Before They Make Me Run
(Mick Jagger/Keith Richards)
9. Beast of Burden
(Mick Jagger/Keith Richards)
10. Shattered
(Mick Jagger/Keith Richards)

Originally Released June 9, 1978
Produced by The Glimmer Twins

The Rolling Stonesは突き上げられていた。
パンク・ロックと、やがてヒップホップと呼ばれる
新しいブラック・ミュージックに。

パンク・ロックの主な標的は産業化したロックと
プログレッシブ・ロックで、Pink Floydは
特に連中の槍玉に挙げられていたが、
The Rolling StonesやLed Zeppelin、Queenといった
バンドも、攻撃の対象にされた。

他方ヒップホップの主な標的は、産業化した
ソウルやファンクとしてのディスコだったが、
そこには黒人の声がちっとも反映されていないことへの
失望と怒りがあった。

そうした新たな動きに敢然と立ち向かったのが、
The Rolling StonesとMichael Jacksonだった。
ソウルやファンク、それに自身のThe Jacksonsの
マンネリを打破するために、
マイケルはQuincy Jonesとともに、その道を模索、
Off the Wallを経て、宇宙で最も売れたレコード
Thrillerで答えを出した。

他方ストーンズは、Some Girlsと次のEmotional Rescueで、
再びワイルドで荒々しく、スピード感のあるロックンロールに
回帰した。
 

 

KC & The Sunshine Bandみたいなディスコ・ビートの
Miss Youでアルバムは始まる。
Stevie Wonderを意識したようなSugar Blueの
ハーモニカ、Mel Collinsの短いソロ、
ラップのようなミックのヴォーカル‥
あるべき音があるべきところにあるという、
完璧なアレンジです。

続くWhen the Whip Comes Down
シンプルなロックンロールだが、
ここまで荒々しいストーンズは久々じゃないか。
FacesのIan McLaganが久々にゲスト参加した
Just My Imaginationは、原曲よりも
グッとテンポを上げた分、メランコリーになっている。
途中のモータウン・ビートが愉快痛快。

4曲目のタイトル・トラックは、ストーンズが
ディランをやってみた、のパターンだが、
そこで歌われるのは、黒人女は一晩中SEXしたがる
とゆうような無茶苦茶なモノ。
ファンクを徹底的に突き詰めると、踊ることを
目的としないものになるが、ストーンズも
そこへ到達したのだった。
Facesみたいな愉快痛快ロックンロールのLies
女の嘘を徹底的に罵っている。

B面へいって、Far Away Eyesは、Skeeter Davisの
Set Him Freeみたいなカントリー・ソング。
ロニーのペダル・スティールがいい味出してます。
で、再び愉快痛快ロケンロールなRespectable
この人を食ったようなノリはストーンズの真骨頂。

Before They Make Me Runは、とうとうヘロインから
足を洗ったキースのナンバー。
トロントで逮捕されたキースは、1年の執行猶予と
社会奉仕活動を条件に、服役を免除された。
やれやれ助かったと、半笑いしています。
キースのアイディアから生まれたミディアム・テンポな
Beast of Burdenを経、クロージングはT-Rexみたいな
Shattered
パンクの連中に突然ストーンズは終ったと罵られ、
大人げなくムキになった成果があったわけです。