1. Day Tripper 
(John Lennon/Paul McCartney) 
2. We Can Work It Out 
(John Lennon/Paul McCartney) 

Originally Released Dec. 3, 1965

The Beatles第二章の幕開けに相応しい、初の両A面シングル。
このレコードがリリースされた同じ日に、
Rubber Soulも発売されている。
これによって、シングルを売るためのRubber Soul
またRubber Soulに埋もれたDay Tripper
という事態にならずに済んだ。

この2年後に、Sgt. Pepper'sの先行シングルという形で、
Penny Lane/Strawberry Fields Foreverが出ていますが、
それもこの時と全く同じ措置です。
つまり、クリスマスも押し迫った1965年暮れに、
The Beatlesは単なるアイドル集団から一歩前へ進んだわけです。

更に特筆すべきことは、このシングル2曲に関して、
つい半年前に出たアルバムHelp!の片鱗がどこにもない。
これがRubber Soulになると若干残ってるんですが、
ついこの間までやってきたことを捨てるぞ!という
気概が込められている。
そして実際にそうなってしまった。たった2曲で。
ただ曲を書いてもらって歌うだけの歌手ならともかく。

さて。
Otis ReddingやJimi HendirixもカヴァしたDay Tripperですが、
僕の世代でDay Tripperといえば、
YMOのヴァージョンが一番馴染み深い。
Behind the MaskはMichael Jacksonが、
Day TripperはOtis Reddingがカヴァしている。
ソウル系のミュージシャンの琴線に触れるってことです、この2曲は。

 

Past Masters Past Masters
 
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さて、We Can Work It Outのほうも、
ソウル系と大いに繋がりがある。
1970年にStevie Wonderがカヴァしています。
つまりソウル系のミュージシャンにヒットする2曲が、
このシングルには入ってるということです。

そしてこの曲は、Paul McCartneyが遂に大化けしたことを示す、
決定的瞬間を捉えてもいる。
故にB面ではなく、こちらもプッシュしてもらわな困る。

サビの"Life is very short. There's no time for"までは4/4拍子、
"fussing and fighting, my friend"のところは3/4拍子と、
変わったリズムになっています。
最初の方ではあまり目立たないハーモニウムが、
曲の中盤辺りから段々と前面に出て来、熱気を帯びてくる。
こういう展開、確かにStevie Wonderは好きそうだ。