1. 御意見無用
作詞:鈴木ヒロミツ 作曲:星勝
2. Town Where I Was Born
作詞:鈴木ヒロミツ 作曲:星勝
3. Good Morning, Good Afternoon, Good Night 
作詞:鈴木ヒロミツ 作曲:星勝
4. Nobody Cares
作詞:鈴木ヒロミツ 作曲:星勝
5. 月光仮面 
作詞:川内康範 作曲:星勝
6. Traces Of Love
作詞:鈴木ヒロミツ 作曲:星勝
7. To My Sons 
作詞:鈴木ヒロミツ 作曲:星勝
8. No One Knows What They Were
作詞:鈴木ヒロミツ 作曲:三幸太郎
9. Alone
作詞:鈴木ヒロミツ 作曲:星勝

Originally Released May 5, 1971

1971年の大きな出来事として、
Pink Floyd、Led Zeppelinの初来日が挙げられる。
Pink Floydは71年8月6、7日に箱根で開催された
『箱根アフロディーテ』という野外コンサートに出演し、
あのAtom Heart Motherを演奏。
9月にはLed Zeppelinが初来日し、
その凄まじい音と、酒池肉林を地で行く乱痴気騒ぎを、
日本中に撒き散らしていった。

そのLed Zeppelinのライヴについて最も印象的なのは、
ヴォーカルのRobert Plantがとても暇だということ。
The Rolling StonesやU2のライヴにおいて、
Mick JaggerやBonoが暇そうにしてるということは
あまりないのだけど、Led Zeppelinにおいては、
それが平気でまかり通っている。
つまりLed Zeppelinというバンドをコントロールしているのは
Jimmy Pageであり、その楽曲並びにステージの醍醐味は、
器楽演奏そのものである。

モップスと鈴木ヒロミツの関係も、
そのLed Zeppelinに近いものがある。
つまりモップスというバンドをコントロールしているのは
星勝であり、曲によっては彼が歌ってるものもある。
実際に彼らのステージを目撃したことは(当然)ないけど、
鈴木ヒロミツはだいぶ暇を持て余していたのではないか。

 

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1971年にリリースされた3枚目のアルバム
『御意見無用』は、凄まじくハードなアルバムだ。
彼らの全キャリアを通してみても、
その完成度は断トツに優れています。
しかもここへきて、漸く全曲メンバーのオリジナル。

アルバムは、Led Zeppelinのハードネスと
阿波踊りのリズムをドッキングした
「御意見無用」で始まる。
ここでは英語で歌われていますが、
シングル・ヴァージョンでの日本語版も存在する。
Led ZeppelinのRobert Plantのセクシーさと
The AnimalsのEric Burtonの獰猛さを兼ね備えた
鈴木ヒロミツのヴォーカルがすばらしい。

Nobody CaresAloneでは、
星勝がヴォーカルを務め、
更に彼はアルバム中唯一の日本語曲である、
川内康範先生が作詞した子供番組の歌詞を題材に、
ホンキー・トンクのメロディをつけ、コミカルに歌っている。

「月光仮面」のパロディにOKを出した川内康範の
度量もさることながら、「勝手にシンドバット」的な
やり取りが、楽しい。
歌の部分は星勝が歌い、途中鈴木ヒロミツと
掛け合い漫才になる。

なおNobody Caresは「笑いながら眠りたい」、
Aloneは「夕暮れ」として、
後に日本語ヴァージョンも作られている。
(「夕暮れ」は井上陽水が訳詞)