1. Meant for You
(Brian Wilson/Mike Love)
2. Friends
(Brian Wilson/Carl Wilson/Dennis Wilson/Al Jardine)
3. Wake the World
(Brian Wilson/Al Jardine)
4. Be Here in the Mornin'
(Brian Wilson/Carl Wilson/Mike Love/Al Jardine)
5. When a Man Needs a Woman
(Brian Wilson/Carl Wilson/Dennis Wilson/Al Jardine/
Steve Korthof/Jon Parks)
6. Passing By
(Brian Wilson)
7. Anna Lee, the Healer
(Brian Wilson/Mike Love)
8. Little Bird
(Dennis Wilson/Steve Kalinich)
9. Be Still
(Dennis Wilson/Steve Kalinich)
10. Busy Doin' Nothin'
(Brian Wilson)
11. Diamond Head
(Al Vescovo/Lyle Ritz/Jim Ackley/Brian Wilson)
12. Transcendental Meditation
(Brian Wilson/Mike Love/Al Jardine)

Originally Released June 24, 1968
Produced by The Beach Boys

Brian Wilsonは度々、このアルバムを
お気に入りだと語っている。

それまで寝ても覚めても、湯水の如く
メロディとサウンドが溢れだし、
神憑りな方法で形にしてきたというのに、
ある日ぱたりと蛇口が閉まった。

Bruce Springsteenは、音楽を演奏することは
治療だと言っていたが、常に蛇口が全開だった時の
ブライアンは確かに、とめどもなく溢れ出す
メロディとサウンドを、今吐き出さないと
やばいという様子だった。

そういう状況がぴたりとやんだ時に、
Wild Honeyや本作でのソングライティング、演奏は、
果して治療となっていたのか。

ただブライアンが現在やっていること‥
とりわけ2012年にThe Beach Boys名義で出た
That's Why God Made the Radioと、
現時点の最新作No Pier Pressureから振り返ると、
このFriendsは、Pet SoundsなりSMiLE
乗り越えるスタート地点になっていた。

Mike Loveの関与が少ない本作、
そしてそのマイクによってThe Beach Boysを
クビにされたために、Al Jardin、David Marksを
抱き込んで作った(つまりマイクが全く関与していない)
No Pier Pressureは、殆ど親と子のような作品といえる。

 

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この時期、Mike Loveはインドに凝りだして、
The Beatlesの面々やDonovanらとともに、
Maharishi Mahesh Yogiの超越瞑想の講義を受けに、
インドまで出かけるようになった。

そのマイクがいないのをいいことに、
ウィルソン兄弟とAl Jardinで作ったのが、
このFriendsというアルバムだ。

それが可能だったのは、ブライアンの2人の弟‥
特にCarl Wilsonが、ミュージシャンとして
格段の進歩を遂げていたためだ。
John Lennon、Paul McCartneyという、偉大なソングライターを
間近に見てきたことで、George Harrisonも素晴らしい
ソングライターに成長したように、カールもまた、
兄がPet SoundsSMiLEを作る現場に立ち会ったのだから、
そこから何かを得ないわけがなかった。

アルバムは短い断片のような美しい
Meant for Youで始まり、
ついでやはり美しいアルバム・タイトル曲、
そしてWake the Worldと続く。
この3連発の美しさはどうだ。

どの曲も完成を途中で放り出したような、
敢えて未完成のままにしているよう。
完成することにこだわったPet Soundsとは
対極にあるわけですね。