1. オープニング~長い髪の少女
作詞:橋本淳 作曲:鈴木邦彦
2. いとしのジザベル~陽はまた昇る
作詞:橋本淳 作曲:鈴木邦彦
3. 銀色のグラス
作詞:橋本淳 作曲:鈴木邦彦
4. 愛する君に
作詞:なかにし礼 作曲:鈴木邦彦
5. 本牧ブルース
作詞:なかにし礼 作曲:村井邦彦
6. 蝶は飛ばない
作詞:なかにし礼 作曲:鈴木邦彦
7. もう一度人生を 
作詞:なかにし礼 作曲:鈴木邦彦
8. オープニング~スプーンフル
作詞・作曲:Willie Dixon
9. ウィズアウト・ユー
作詞・作曲:Danny Kirwin
10. コミュニケーション・ブレーク・ダウン
作詞・作曲:Jimmy Page, John Paul Jones 
and John Bonham
11. ハード・ロード
作曲:Ritchie Blackmore, Jon Lord, Nick Simper 
and Ian Paice
12. レット・ミー・ラヴ・ユー
作詞・作曲:Rod Stewart
13. ザ・ウェイト
作詞・作曲:Robbie Robertson
14. 蝶は飛ばない 
作詞:なかにし礼 作曲:鈴木邦彦

Originally Released Oct. 10, 1969

これまでにも度々触れてるとおり、ゴールデン・カップスは
本牧の米軍キャンプで英米ロックやR&Bのカヴァを
積極的に演奏し、レコードでも取り上げて、
マニアックな洋楽カヴァ・バンドとして活動しながら、
一方でスパイダースやタイガース、テンプターズらと同じく、
ヒット曲を数多く持つグループ・サウンズとしての顔も
併せ持っていた。

タイガースのように完全にヒット曲バンドとして機能するか、
単に洋楽カヴァだけをやってマニアックな客だけを
相手にするか、普通はどちらかなんだよね。
でもカップスは、客を選ばない。
それは、「いとしのジザベル」や「長い髪の少女」と同じく、
洋楽カヴァもある種ポップな味付けが成され、
いずれも自分たちの中で消化しきっていた。
60年代にこういうことが出来たのは奇跡的だし、
ゴールデン・カップスが本当に実力のあるバンドだった証拠だ。

 

 

前回ご紹介した『スーパー・ライヴ・セッション』は、
『ZEN』という横浜のジャズ喫茶におけるライヴ盤だが、
こちら『ザ・ゴールデン・カップス・リサイタル』は、
渋谷公会堂でのホール・コンサートということで、
オープニングの「長い髪の少女」を始めとして、
数多くのヒット曲を持つバンドの素顔も見せた内容。

二部構成になっていて、前半はビッグ・バンドを配した
ヒット曲グループとしての側面に焦点を当て、
後半ではカップスお得意の洋楽カヴァという構成。
デビュー盤がリリースされたばかりのLed Zeppelin、
Deep Purpleをもうやってる辺りが、カップスらしい。

さて後半の洋楽カヴァ編に目を向けると、
カップスらしく非常にマニアックというか、
ニンマリしちゃうものが目白押しだ。
まずオープニングが、Creamも取り上げた
Willie DixonのSpoonfulで、
そこからFleetwood MacのEnglish Roseに収録された
Without You
僕はこの2連発だけでニンマリしちゃう。

で、ツェッペリン、パープルと続いて、
第1期Jeff Beck Groupのデビュー盤Truthから、
Let Me Love Youとくる。
まだハードロックという言葉もない時代に、
カップスはその臭いを嗅ぎ取っていた。

それで洋楽カヴァ編のラストを飾るのが、
The Bandのデビュー盤Music from Big Pinkに収録され、
『フィルモアの奇蹟』でも取り上げられたThe Weight
この曲は変拍子が多くて演奏するのが難しそうだけど、
どうにか力任せに乗り切った感がある。