1. Jumpin' Jack Flash
(Mick Jagger/Keith Richards)
2. Carol
(Chuck Berry)
3. Stray Cat Blues
(Mick Jagger/Keith Richards)
4. Love in Vain
(Robert Johnson)
5. Midnight Rambler
(Mick Jagger/Keith Richards)
6. Sympathy for the Devil
(Mick Jagger/Keith Richards)
7. Live with Me
(Mick Jagger/Keith Richards)
8. Little Queenie
(Chuck Berry)
9. Honky Tonk Women
(Mick Jagger/Keith Richards)
10. Street Fighting Man
(Mick Jagger/Keith Richards)

Originally Released Dec. 5, 1969
Produced by The Rolling Stones, Glyn Johns

Brian Jonesにとって最大の誤算は、The Rolling Stonesが
ライヴ活動停止に追い込まれたことだ。

確かに彼はPaint It, Black以降のサイケデリック期に
欠かせない存在ではあったけど、本来の寄る辺は、
ストーンズの一員としてステージに上がることだった。
そして再びストーンズがステージに返り咲いた時、
彼はこの世を去ってしまい、バンドはMick Taylorを加えて、
涼しい顔で全米ツアーに乗り出していた。

Brian Epsteinも、The Beatlesがライヴ活動を辞めたことで、
事実上マネージャーとしての存在意義を失い、
彼が亡くなるや、バンドはずるずると瓦解していった。

そこへいくとBrian Wilsonの場合、SMiLEが棚上げに
なると同時に、The Beach Boysでの主導権も失ったが、
彼は存命し、Mike LoveからThe Beach Boysを
剥奪されようとも、新しいアルバムを作ったり
ライヴもやって、The Beach Boysの新たな1ページを
書き加える存在であり続けている。
結局一番図太いブライアンは、ウィルソンだったのである。
 

 

Mick Taylor加入後初の全米ツアー、
しかも殆ど兄弟盤といっていいBeggars Banquet
Let It Bleedが出た後のライヴ。
そのテイラーはStray Cat Bluesから存在感を見せつけ、
Love in Vainでのスライド・ソロは、
中盤の見せ場になっている。

このライヴ盤がリリースされる1年前、
ブートレグ史に名高いLive'r Than You'll Ever Beが出て、
非常に話題になっていた。
69年11月9日にオークランドで行われたライヴが、
その1月後にはほぼ正規盤の音質で出ていたのだから。

そして本作の3ヶ月後には、このツアーを追った
ドキュメンタリー『ギミー・シェルター』が公開されたが、
先述のブートレグも、その映画のためにLondon Recordsが
録り貯めしていた音源の一環だった。

本来であればこのライヴ盤は、同時にその映画の
サントラ盤としての性格を有すべきところ、
ニューヨークのステージでは何故かGimme Shelter
セットリストから外していた。
それがLive'r Than You'll Ever Beには
しっかり入っているのだから、それだけでも
このブートの価値は高まる。