1. I Feel Fine 
(John Lennon/Paul McCartney) 
2. She's a Woman 
(John Lennon/Paul McCartney) 

Originally Released Nov. 27, 1964

この曲のフィードバック奏法によるイントロ。
John Lennonがギターを持ってアンプに近付いたら、
"偶然"フィードバック・ノイズが出ちゃった。
それをそのまま入れてしまった、というのが定説だけど、
実際は用意周到に練られた作戦だったことが
『アンソロジー』に詳しい。

A Hard Day's Nightの冒頭の"ジャ~ン"の経験から、
各パートのベスト・テイクを繋ぎ合わせればいいんだという、
スタジオ・レコーディング上の至極当たり前な
プロセスに気付いたわけですね。

また、Revolver以降に顕著となる、
不協和音や実験的なサウンド・メイクを用いた手法に
興味を持ち出したきっかけでもある。
いずれにせよ、こんなにもイントロに気を使った曲は、
この時期としては非常に珍しい。

 

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そのB面となるShe's a Woman
これは、おやじロックファンにとっては、
The Beatlesのヴァージョンよりも、
Blow by BlowでのJeff Beckの演奏の方が、馴染み深い。

Blow by Blowをプロデュースしたのが
George Martinだったからというよりも、
Jeff Beckはこの曲をソウル・ミュージックの一種と見た。

Stevie Wonderは、Paul McCartneyがThe Beatles時代に歌った
We Can Work It Outをカヴァしていますが、
Blow by Blowの頃のJeff Beckは、
そのStevie Wonderに傾倒しており、
She's a Womanというゴリゴリした曲に、
Stevie Wonder的なエッセンスを嗅ぎ取ったのではないか。

テンポを落とし、トーキング・モジュレーターなんかも使って、
原曲のメロディを解体しながら、随所に小さな音で
オリジナル・メロディを散りばめる展開は、
Miles DavisがAutumn Leavesでやるパターンですね。