1. ショットガン
作詞・作曲:Autry DeWalt 編曲:村井邦彦
2. ホールド・オン
作詞・作曲:Isaac Hayes and David Porter
編曲:村井邦彦
3. ウーマン・ウーマン
作詞・作曲:Jim Glaser and Jimmy Payne
編曲:村井邦彦
4. マネー
作詞・作曲:Berry Gordy, Jr. and Janie Bradford
編曲:村井邦彦
5. スプーキー
作詞・作曲:Ron Hirsch, Mike Shapiro, 
Harry Middlebrooks Jr., James Cobb and Buddy Buie
編曲:村井邦彦
6. ミッドナイト・アワー
作詞・作曲:Wilson Pickett and Steve Cropper
編曲:村井邦彦
7. 長い髪の少女
作詞:橋本淳 作曲・編曲:鈴木邦彦
8. 愛する君に
作詞:なかにし礼 作曲:鈴木邦彦 編曲:村井邦彦
9. ドック・オブ・ザ・ベイ
作詞・作曲:Otis Redding and Steve Cropper
編曲:村井邦彦
10. 過ぎ去りし恋
作詞:ケネス伊東 作曲:エディ藩 編曲:村井邦彦
11. ストレンジ・ブルー
作詞・作曲:Eric Clapton, Felix Pappalardi 
and Gail Collins 編曲:村井邦彦
12. ギミ・リトル・サイン
作詞・作曲:Alfred Smith, Joe Hooven and Jerry Winn
編曲:村井邦彦
13. 午前3時のハプニング
作曲:ルイズルイス加部 編曲:村井邦彦
14. クールな恋 
作詞:松島由佳 作曲・編曲:村井邦彦

Originally Released Sep. 10, 1968

The Beatlesにしろ、The Rolling Stonesにしろ、
The AnimalsやThe Yardbirdsにしろ、
その初期のアルバムの大半を占めるのは、
50~60年代のR&Bを中心としたカヴァである。
僕はそれらを通して黒人ロックンロールや
リズム・アンド・ブルース、ソウルなども
聴くようになった。
それはThe BeatlesやThe Rolling Stonesの
楽曲のすばらしさを知ると同時に、
彼らのルーツを探る手がかりにもなるからだ。

ゴールデン・カップスが腕を磨いていたのは、
米軍キャンプが集まる、横浜・本牧だった。
アメリカ人はThe Venturesなど聴いちゃいない。
Alan FleedやWolfman Jack、Dick Clarkなどが
ラジオで散々掛け捲ったロックンロールや
リズム・アンド・ブルースを聴いていた。
ヤバイ連中が集まる本牧で、
彼らが満足して帰ってもらうためには、
演奏も「本物」じゃなきゃならない。
ゴールデン・カップスが他のGSグループと
一線を画したのは、本物の客を相手にしていたためだ。
それでいて「いとしのジザベル」や「長い髪の少女」など、
お決まりのGSグループの機能も果たしていたのだから、
奇跡的というしかない。

 

 

ライヴ仕立てでメンバー紹介を挟む
Jr. Walker & The All StarsのShotgun
幕を開ける『第2集』には、大ヒット曲
「長い髪の少女」「愛する君に」が収録されている。
『巨人の星』で星飛雄馬の恋人、橘ルミが加入する
3人組のアイドル・グループ、オーロラ3人娘も歌った
「クールな恋」は、「愛する君に」のカップリングですね。

だが前作同様それらは箸休めで、聴きどころは
リズム・アンド・ブルースを中心としたカヴァだ。
The Classics IVのSpookyなんてソフト・ロックを
やっているのは意外だが。
CreamのStrange Brewをやってるところに、
彼らのささやかな抵抗を見る。

勿論Sam & DaveのHold On, I'm Coming
Wilson PicketのIn The Midnight Hour
Otis Reddingの(Sittin' On) The Dock Of The Bay
更にはBrenton WoodのGimme Little Signと、
今となってはややマニアックなソウルの選曲も。

The BeatlesやThe Rolling Stonesもカヴァした
Money (That's What I Want)も、
ここではファズ・ギターとSEを駆使した
サイケなサウンドに生まれ変わっている。
翌年John Lennonがクラプトンらを率いて
演奏したライヴ・ヴァージョンに先駆けている。

だがこのアルバムは、「午前3時のハプニング」を
聴くためにある。