1. I Get Around
(Brian Wilson/Mike Love)
2. All Summer Long
(Brian Wilson/Mike Love)
3. Hushabye
(Doc Pomus/Mort Shuman)
4. Little Honda
(Brian Wilson/Mike Love)
5. We'll Run Away
(Brian Wilson/Gary Usher)
6. Carl's Big Chance
(Brian Wilson/Carl Wilson)
7. Wendy
(Brian Wilson/Mike Love)
8. Do You Remember?
(Brian Wilson/Mike Love)
9. Girls on the Beach
(Brian Wilson)
10. Drive-In
(Brian Wilson/Mike Love)
11. Our Favorite Recording Sessions
(Brian Wilson/Dennis Wilson/Carl Wilson/
Mike Love/Al Jardine)
12. Don't Back Down
(Brian Wilson/Mike Love)

Originally Released July. 13, 1964
Produced by Brian Wilson

親というのは、多かれ少なかれ、
子に2代目の夢を託すものである。

このアルバムの1曲目、大ヒット・シングルにもなった
I Get Aroundのレコーディング中に、
バンドは、ウィルソン兄弟の父親で、
マネージャーのMurry Wilsonを馘首する。

Murry Wilson自身、若い頃はミュージシャン志望で、
自分がやりたいサウンド、音楽スタイルがあって、
その成し遂げられなかった夢を、
子のBrian Wilsonに託そうとした。
が、子には子のやりたいことがあり、
スタジオから出て行けと言い渡したのである。

The Beatlesは、1967年8月に、
マネージャーのBrian Epsteinが死んで、
崩壊に向かっていった。
と、これを機にBrian Wilsonは、Pet Soundsを生み出すも、
SMiLEの空中分解、そして30年以上続く
暗黒の日々を迎えることを思うと、
果してここでの転機は、吉だったのか凶だったのか。
 

 

これからThe Beach Boysを聴こうという人は、
1963~65年頃のアルバムからまず着手すべし。
名盤だからといきなりPet Soundsに手を出したり、
デビュー盤だからとSurfin' Safari
買ってはならない。

夏、ビーチ、サーフィン、車、金髪のおねえちゃん‥
加山さんやワイルドワンズ、サザンオールスターズが
散々取り上げてきたテーマが、1963~65年頃の
The Beach Boysには、凝縮されている。
それぞれの曲のキャッチーさ、アルバムとしての纏まり、
複雑なことをやっているんだけど、それが自然に聞こえる、
ポップスとしての魅力。
初心者から中級者、コアなファンまで、一切面倒を見てくれる。

オープニングのI Get Around
そして『アメリカン・グラフィティ』でも
お馴染みのタイトル曲の2連発、これがもう全てだ。
出だしから転調に転調を重ね、リズムも複雑怪奇だが、
曲は終始グルーヴし続ける。
で、血気盛んなロックンロールから一転、
美しいコーラス・ワークが魅力のHushabyeという、
必殺の展開。
そしてアルバム後半には、
映画『ビーチ・ガール』の主題歌、
これまた必殺のGirls on the Beach
夏が待ち遠しいなぁ。