1. Like a Rolling Stone
(Bob Dylan)
2. Tombstone Blues
(Bob Dylan)
3. It Takes a Lot to Laugh, It Takes a Train to Cry
(Bob Dylan)
4. From a Buick 6
(Bob Dylan)
5. Ballad of a Thin Man
(Bob Dylan)
6. Queen Jane Approximately
(Bob Dylan)
7. Highway 61 Revisited
(Bob Dylan)
8. Just Like Tom Thumb's Blues
(Bob Dylan)
9. Desolation Row
(Bob Dylan)

Originally Released Aug. 30, 1965
Produced by Tom Wilson, Bob Johnston

1964年、The Beatlesアメリカ上陸。
これを皮切りに、イギリスのバンドが次々と
アメリカへ進出することになったわけですが、
中でもBob Dylanがデビュー・アルバムで取り上げた
「朝日のあたる家」を引っ提げて登場した
The Animalsは、ディランを含むその後の
アメリカのロックに大きなインパクトを与えた。

一介のセミプロ・フォーク・シンガーに過ぎなかった
Jim McGuinnは、The Beatlesになりたいという
信念のもと、同じ考えを持っていたGene Clark、
David Crosbyらとともに、The Jetsというグループを組み、
これは後にThe Byrdsへと発展。
The Beatlesをバックにディランが歌ったらどうなるかと
想定したMr. Tambourine Manは、
やはりディラン当人の度肝を抜いた。

ディランが最初のエレクトリック化を試みた
Bringing It All Back Homeと、
このHighway 61 Revisitedとの違いは、
いうなればThe ByrdsのMr. Tambourine Man
前と後ということになる。

Simon & Garfunkelのデビュー盤をプロデュースした
Tom Wilsonは、Paul Simonがロンドンへ行っている間に、
数人のスタジオ・ミュージシャンを集めて、
The Sound of Silenceにオーバー・ダブを施し、
シングル盤でリリースして、これが大ヒット。
一度は空中分解したデュオは、再び邂逅し、
Brian Wilsonでさえも、Pet Soundsで、
Sloop John Bという古いフォーク・ソングを
取り上げたのだった。
 

 

このアルバムに参加しているAl KooperとMike Bloomfieldは、
後にスーパー・セッション・シリーズの立役者となるが、
その2人がこの場に顔を揃えているというのも、
Bob Dylanという強力な磁場が成せる業ではないか。

ギターを弾くつもりでスタジオに入ったAl Kooperは、
そこに居合わせたMike Bloomfieldの演奏を見て、
ギタリストの席は埋まっていると判断、
たまたまそこにあったハモンド・オルガンを、
藁をも縋る思いで弾いた。
‥ということになっている。

本当にたまたまだったのだろうか。
用もなくオルガンを置いておくだろうか。
真相は藪の中だが、ディランに「お前はこれを弾け」と
言われたのではないのか。
後にHerbie Hancockが、スタジオに行って、
マイルスに「今日はこれを弾け」と、
フェンダー・ローズの前に座らされたこととダブる。

ディランもマイルスも、予定調和を嫌う。
今まで弾いたこともないオルガンやエレピを前にして、
Al KooperやHerbie Hancockに考えさせた。
そういえばPaul McCartneyも、George Martinに
ピアノを弾いてみろと言われたことから、
才能が大きく花開いたのだし、
マイルスだって、Dizzy Gillespieにピアノを
弾いてみろと言われ、スケールや音符の理解を深めた。