1. なんとなく なんとなく
作詞・作曲:かまやつひろし
2. 僕はあなたに首ったけ
作詞・作曲:Reg Presley
3. リーチ・アウト・アイル・ビー・ゼア
作詞・作曲:Brian Holland, Lamont Dozier
and Edward Holland, Jr.
4. 悲惨な戦争
作詞・作曲:Peter Yarrow and Paul Stookey
5. 孤独の叫び
作詞・作曲:John Lomax, Alan Lomax, 
Eric Burdon and Chas Chandler
6. ブーン・ブーン
作詞・作曲:John Lee Hooker
7. ダンス天国
作詞・作曲:Chris Kenner
8. 僕は危機一髪 
作詞:ささきひろと 作曲:かまやつひろしReg Presley
9. サマー・ガール 
作詞:ささきひろと 作曲:かまやつひろし
10. チビのジュリー
作詞:ささきひろと 作曲:かまやつひろし
11. なればいい 
作詞・作曲:浜口庫之助
12. 夕陽が泣いている 
作詞・作曲:浜口庫之助

Originally Released Feb. 1, 1967

このスパイダースのサード・アルバム発売から4日後に、
ザ・タイガースが「僕のマリー」でデビューしている。
既にブルー・コメッツもワイルド・ワンズも
スパイダースに続けとばかりにデビューしてるけど、
ジュリーを擁すタイガースの登場によって、
グループ・サウンズという日本の60年代後半を
代表する現象は、いよいよ確かなものとなった。

67年から68年に掛けて
売れ線からマニアックなものまで、
雨後の筍のようにGSバンドが現れましたが、
それは1にも2にも66年6月29日に来日した
The Beatlesの影響を反映したものです。
しかしビート・グループという現象そのものは、
寺内タケシとブルー・ジーンズや
GS最古参のスパイダースが61年に
既に存在していたことからも、
むしろ世界同時多発的なものだった。

つまり50年代後半にElvis PresleyやBuddy Holly、
Chuck Berry、Ray Charlesといった人たちの音楽が
英米や日本の若者の耳に届き、
それをセルフ・バンドで演奏したいと考えたのがいた。
アメリカではThe Beach BoysやThe Walker Brothersが、
イギリスではThe BeatlesやThe Rolling Stones、
The Dave Clark Five、The Yardbirdsが、
そして日本ではブルー・ジーンズにスパイダース、
それと加山雄三のランチャーズといったグループが、
1963年から65年の間に同時多発的に現れたわけです。

 

 

井上順が歌う「チビのジュリー」は、
66年のシングル「夕陽が泣いている」のB面曲ですが、
アルバム収録された4日後に
本物のジュリーが現れるとは、
思っても見なかったでしょう。

またこの頃から、「夕陽が泣いている」を
作詞・作曲した浜口庫之助作品を堺正章が、
かまやつさんが作った「なんとなく なんとなく」を
井上順が歌うというように、
リード・ヴォーカルを置くようになった。

同時期にザ・サベージとの抱き合わせで、
『ゴー!スパイダース、フライ!サベージ』という
アルバムも出ているが、洋楽カヴァなど入れるくらいなら、
もう一度この3枚目に収録してもよかったのではないか。