京都の木下酒造さんの「玉川 純米吟醸 Ice Breaker(アイスブレーカー)」。

税込3,300円。

 

 

我が家においては、このアイスブレーカーが、まさに初夏の訪れそのもの。

この酒に初めて出会ったのは、練馬区の大塚酒店。

確か5年前。

その頃から、大塚屋酒店の大将は、我が家で「日本酒ヨーダ」と尊敬する日本酒マスターなのです。

 

少し度数の高いすっきりとした日本酒に、美しい氷を浮かべロックで楽しむ、という当時は革新的な夏酒の飲み方を提唱したのが、隻眼のイギリス人杜氏さん、フィリップ・ハーパー氏。

なるほど〜。日本人の発想とは全く違う文化や、思想があってのこの酒なんだと、目から鱗がバッサバッサと落ちた思いがしたものです。

 

今年の酒屋のショーウィンドーには、ハーパー杜氏さんのフォローワーともいえる、多くの酒蔵が醸す、度数の高い、爽やか系ブルージャケの夏酒が満開です。

 

今年の夏を迎えに、大塚酒店(当時の場所から移転し新しい店になりました)へ。

さぞかしショーケースはブルーに染まっている事と思っていたのに、玉川の定番酒はあるものの、ペンギン・ブルーのあの人の姿はありません。

 

店番のお姉さんに聞いたところ、後ろの事務室から大将が出てきて

 

「オリがからんじゃっているんですが、いいですか?」

 

と、謎の呪文を。

 

「値段は同じなんですが、PB(ピービーと発音)のオリがらみしか、今はなくって。。。」

 

とまたしても謎の呪文。。。

 

意味が全くわかりません。

フォースと共にあれっていう、例のヤツですか?

 

よくよく聞くと、なんとアイスブレーカーの「澱がらみ」を、大塚酒店のプライベートブランドとして、ハーパーさんに醸してもらっているとの事。

なぬっ!フォースと共にあると、玉川のハーパーさんに、オリジナル酒を醸してもらえちゃうの?

 

地下の蔵から持ってきてもらった1本は、確かに、これまでのクリアなペンギンちゃんとは違い、澱が溜まってます。

そして、蓋の上に「澱」シール!

 

 

日本酒ヨーダ様はにこやかに「毎年少しづつ味が違うんですが、澱が絡んだらさらにうまいだろうなっと思って、依頼しちゃいました」と、えへぺろ的に。

 

そしてワタクシたちを驚愕させたキメせりふは

「これ、実は燗にしても旨いんです。最後、残ったら燗でぜひ!」って。。。

 

 

毎年飲んでるアイスブレーカーですが、大塚屋の大将の熱意で今年の酒は別格に旨い。

日本酒を牽引するのは、蔵元さんやカリスマ杜氏さんだけではない。

日本酒を愛し、日本酒に愛された、私たち消費者が気軽にお話ができる酒屋の漢(おとこ)だったりするわけです。

 

日本でここでしか買えない酒の肴は、夏らしくトマトと青紫蘇の塩麹和え。

 

最近トマトが急に甘さを増し、夏の訪れを感じます。

 

 

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