おかげさまで、先日書いた
「消費税減税でレジ改修はすぐできる?それとも1年かかる?」
という解説ブログが、久しぶりにヒットしました。
せっかくなので今回は少し踏み込んで、
「なぜ増税はできて、減税は難しいと言われるのか」
について、私なりに考察してみます。
まず前提として、増税は政府にとって安定財源が増える話です。
当然、実現したい方向に力が働きます。
そのため、制度設計の段階から
「できるだけ国民の反発を抑えつつ実現する方法」が考えられてきました。
例えばこれまでの流れを振り返ると、
・3% → 5%
・5% → 8%
このあたりまでは、
仕組み自体を大きく変えず、
税率の変更だけで対応できる形で
増税が行われています。
つまり、レジシステム的にも
比較的シンプルで、
短期間で対応できるやり方が
選ばれてきたわけです。
しかし、10%への引き上げとなると
話は変わります。
ここで問題になるのが、消費税の持つ
**「逆進性(所得が低いほど負担が重くなる)」**という性質です。
このままでは国民の反発は強くなる。
そこで導入されたのが軽減税率です。
・食品は8%のまま
・それ以外は10%
という仕組みを作ることで、
「生活に必要な部分は守っています」
というアピールが可能になります。
ただし、この軽減税率の導入によって
何が起きたか。
レジシステムは一気に複雑化しました。
商品ごとに税率を分ける必要がある
・テイクアウトと店内飲食で税率が変わる
・酒類は対象外
・なぜか新聞は対象
…と、現場としてはかなり厄介な仕様です。
つまり、
この時点で初めて「大規模なシステム改修」が必要になったわけです。
ここからが今回の本題です。
結論をシンプルに言うと、
制度を決める側にとって
都合のいい方向には
“簡単な仕組み”が選ばれ、
都合の悪い方向には
“複雑な仕組み”が残りやすい
ということです。
増税の場合は、
できるだけ早く実施したい
反発は抑えたい
その結果、
シンプルで実装しやすい方法が選ばれる
一方で
減税の場合は、
財源は減る
制度的にも調整が必要
その結果、
既に複雑化した仕組みが足かせになり、
時間がかかる理由が生まれる
つまり、
「システムが分かっていないから
“すぐできる派”と“1年かかる派”がいる」
というよりも、
そもそも制度設計の段階で
“簡単にできる形”と
“簡単には戻せない形”が
作られていると
考える方が自然ではないか、
というのが私の見方です。
もちろん、
これはあくまで一個人の考察です。
ただ、レジシステムの
現場を見てきた立場としては、
「技術的にできる・できない」
だけで語られている議論には
少し違和感があります。
さて、この考察。
皆さんはどう思いますか?
「意地悪やなぁ〜」と思うか、
「確かにそうかも」と思うか。
コメントで意見をもらえたら嬉しいです。
