前回の選挙で話題になり、国民民主党が強く主張していた主婦のアルバイト収入に対する課税について、178万円ということで、自民と国民民主党との間で合意に達したと新聞各社が報じている。
年収の壁を引き上げるには、単に税金の話というだけではなく、女性の働き方、女性の生活設計に大きく影響を与える問題が内蔵されているように思う。
我が家でも、子どもが少し大きくなり、育児の手が省けるようになると、妻は、社会に出て、働くようになった。その当時まだアルバイトでまさしくこの年収の壁に影響を受けた。年末には、私の年末調整の過程で、妻のアルバイト先から年間の収入額の証明書をもらい、会計に提出する必要が生じ、酷く面倒に感じられたことが思い出される。面倒だから、働かなくて良いと、妻に言った。その時の妻の不満顔が蘇る。
そんなこんなあって、妻が正社員として就職後、私は会計に妻の収入額を提出する必要がなくなり、ほっとしたのを覚えている。同時に、私の健康保険からも外れたが、勤め先の健康保険に加入となり、問題はなかった。
年収の壁という場合、夫の扶養に入り、夫の健康保険に入るためには一定の枠内に収まっている必要があり、それを超えると、扶養から外れ、健康保険にも加入しなければならないことになり、それらを支払うと、結果的に収入増には繋がらないというわけだ。
したがって、妻の労働は夫から低く見られがちで、養ってやっていると低く見られてしまいがちなのだ。
また一方、アルバイトを雇う側からすると、年収の壁を引き上げることは、安価な労働力を手に入れることができるということだ。また、見方を変えると、職場における昇進や賃金の格差解消に逆行しているとも言える。
昔のような夫が働き、妻は家を守るといった家庭の在り方から、夫婦共に働く、言葉を変えると、そうしなければ生活が成り立たない現在では、収入の壁という見方は時代遅れになって来ていると思うのだ。国民民主党は、単に票を獲得するために安易に壁を引き上げることに専念するのではなく、もっと視野を広く持って、将来に向けてのビジョンを示し、議論を深めるべきなのではないだろうか?