英国ロンドン、コロナ感染者は頭打ち?! | ドンキーのちょっと気になった、そこらへんのこと、つれづれに

英国はオミクロン株によりコロナ感染者が爆増中

しかしロンドンに限ると新規感染者数は(早くもか、ようやくか)頭打ちになってきているようだ。

※休暇モードのため過小報告の可能性はあるが・・・

 

南アフリカ ハウテン州に続いて、英国 でも『ロンドン お前もか?』”である。

ロンドンの感染状況について、ちょっとまとめておくことにする

 

◆ロンドンの新規感染者数 オミクロン株比率の推移

 

【図1】 新規感染者数、SGTF/非SGTFの推移

 - 折れ線(緑):新規感染者数

 - SGTF(S-gene Target Failure):オミクロン株の簡易マーカ

 - 棒(青):PCRでSGTFとなったもので、オミクロン株の可能性が高い(ο株疑い)

 - 棒(茶):SGTFとならなかったもので、デルタ株の可能性が高い(δ株疑い)

 - 折れ線(ピンク):SGTF割合(SGTF数/PCR総数、オミクロン株割合の近似値)

感染者数のソースは coronavirus.data.gov.uk/details/cases

SGTF情報のソースは gov.uk/government/publications/covid-19-omicron-daily-overview

※SGTF情報はロンドンだけでなく他の地域(Region)でも95%近くかそれ以上になったので12/31版が最後になったようだ。

 

以降の図2、図3a、図3bは図1をベースに下記の処理を行ったもの。、

図2 ・・・  オミクロン株の感染者数を、(新規感染者数)×(SGTF割合(ο株割合の近似値)) で算出。

同様にデルタ株感染者数は、(新規感染者数)×(非SGTF割合) で算出。 

 - ο(疑) : オミクロン株陽性者の推測数

 - δ(疑) : デルタ株陽性者の推測数

図3a ・・・ 図2のο(疑)、 δ(疑)それぞれを週平均値化した avr_ο(疑)、avr_δ(疑)、

図3b ・・・(同) 縦軸log版

 

【図2】 新規感染者数、SGTF/非SGTFの推移

 

【図3a】 ο(疑)、 δ(疑)  週平均値の推移

オミクロン株、デルタ株の推定数(週平均値)

avr_ο(疑) ・・・ 爆増から横這い、そして微減へ

avr_δ(疑) ・・・ あれ?

抑え込むことがこれまでできなかったデルタ株が減少してる?

※ロンドンで感染者数が減少しているのはオミクロン株がメインでデルタ株はほとんど不変だと勝手に想像していたのですがどうも違うようです。

 

【図3b】 ο(疑)、 δ(疑) 週平均値の推移 (semi-Log版)

ある期間の増加/減少が指数関数的であれば、semi-Logグラフ上では直線になる。

グラフ中のRは破線で示した期間の増加率を4.7日間の増加率で表したもの。世代時間4.7日(GT=4.7)の実効再生産数の近似値として使用できる。

 

◆ロンドンのデルタ/オミクロン株感染者の推移

図3bを参照。

次のような3つの異なる期間がある(ように見える)。

■初期/急拡大期 ・・・・ ~12月11日近辺

 ・デルタ株:微増( R≒1.1)

 ・オミクロン株:急増or爆増(R≒7)

  ⇒オミクロン株の拡大スピード(4.7日間、デルタ比)= 7/1.1≒約6倍

■遷移期 ・・・・ 12月12日~12月17日(だいたいの時期)

 ・次の均衡期までの移行期間

■均衡期 ・・・・ 12月17日近辺~

 ※この状態で均衡するかどうかは現時点では不明だが・・・

 ・オミクロン株:横這い/微減 (R≒1)

 ・デルタ株:減少モード (R≒0.5~0.6)

  ⇒オミクロン株の拡大スピード(4.7日間、デルタ比)= 1/0.6≒約1.5~2倍

 

ロンドンの直近の感染状況は以上。

考察できるほどの専門性を持ち合わせていないので、ここからは主に疑問だけを並べておくだけになってしまう(恐縮です)。

 

一番の不思議は、

① 感染拡大がなぜ止まったのか。

※なおロンドン以外の他の地域(Region)では拡大速度はやや鈍化も今も拡大中です。

・・・・ナゾ・ナゾ・ナゾ・ナゾ・ナゾ・ナゾ・ナゾ・・・・

 

そのほか。

②デルタ株が減少モードに移ったのはなぜか?

オミクロン株の減少が最大のナゾなのだが、英国でこれまで抑え込めていなかったデルタ株が減少し始めているのはなぜなんだろう?

・可能性1:緊急事態宣言(12/18 ロンドン)

  ⇒ 時間軸が合わない。宣言直前には、すでに横這い。

・可能性2:ブースター接種

  ⇒ 可能性としてはあるだろう。ロンドン他の状況も見てみる必要あり。

・可能性3:オミクロン株が干渉

  ⇒ 発生率(両方の株に同時に暴露する率)から考えると、ちょっとあり得んと思う。

なお、可能性1、2は最初の疑問①にも関係する。

 

③オミクロン株拡大速度(対デルタ)は、急拡大期と現在の落ち着き始めている時期で大幅に違う

 統計的、数学的厳密さを欠いたざっくりの数字だが、急拡大期:6倍、現在:1.5~2倍

・可能性 : オミクロン株の世代時間(感染から感染までの平均間隔)がデルタ株よりも短い。

 世代時間が短いと増える時は速いが減るときも早くなる。

  ⇒ おそらくこれでかなり説明がつくと思われるが、すべて説明できるかどうかはわからない。

※図1、図2のSGTF割合(ピンク折れ線)が12月14日前後で増え方が変わっているのもこのためだと思われる。その付近で実効再生産数が小さくなる何かがあった。(それが何だったのか不明だが)それにより受けた影響は、世代時間が短いオミクロン株のほうが相対的に大きかった。

 

まだよくわかっていないことも多いが、南アフリカに続いて英国の一部にすぎないとはいえロンドンも感染拡大は止まりつつある。

オミクロン前のデルタ株をほぼ制圧しつつあった南アフリカとデルタ蔓延中の英国という差があってもどちらも収まった(or収まりつつある)。ほかにもワクチン接種率とか年齢構成など、両国における感染に対する感受性の条件も異なっていた。

はたしてこのあとオミクロン株急拡大から収束あるいは横這いに移る国が他にも出てくるだろうか?

すでに日本もオミクロン株急拡大の国に仲間入りした感じである。やれやれ。

 

オミクロン株については感染者数の拡大速度はすごい、これは間違いない。

一方で重症者数や死者数はそれほどでもない、これも事実のようだ。

警戒は必要だろうが、過度に恐れこともないだろう。

徐々に風邪に近づいているのか、それはわからないが・・・

変異はランダムに起こるからなぁ。

 

今回はここまで。

以上、シロート見解にすぎませんが、参考になれば。