貫井徳郎さんの小説

「邯鄲の島遥かなり(下)」

を読みました。




いよいよ下巻。
時代は戦後から平成へ移り変わり、
そしてクライマックスは令和の幕開け。

長嶋茂雄選手が活躍するその頃、
神生島でも野球に夢中になる少年たちが
いた。しかし、離島では活躍の機会も
限られていて、歯がゆい思いをしながら
それでも彼らは自分たちの夢を追う。

やがて火山の噴火で再び島は壊滅状態に。
避難を余儀なくされた島の人たち。
避難先の東京で生活基盤を築き
2度と島へ戻らない者が多い中、
寂れてしまった島を盛り上げようと
ひとりの若者がやって来て…。



破壊と再生が繰り返される島を舞台に
繰り広げられた人間模様。
辛い中にも常に希望があるお話でした。

貫井さんが醸し出す、人間社会の
リアリティ、独特の重たさや鋭さは、
すごく好きです。
ただ、もう少し心が元気な時に読めたら
もっと楽しめたかな。
戦争、空襲、震災や火山噴火。
作品全体を通して、平穏な日常が
一瞬にして崩れ去る出来事が
繰り返される。
その辺りが、今の私には何とも
心に重たくて…。

とはいえ、やはり大好きな貫井さん。
超大作を読破出来て良かったです(*´-`)