アラン・ギルバート指揮、東京都交響楽団のコンサートに行ってきました。
ホールは、サントリーホールでした。
3連休明け、平日マチネのコンサート、チケット完売、ホールは満員でした。
昨日も完売とのことですから、都響の集客力の凄さが感じられます。
プログラムは
アイヴス 「コンコード交響曲」より「オルコット家の人々」
モーツァルト ヴァイオリンとビオラのための協奏交響曲(ソロ Vn樫本大進 Vaアミハイ・グロス)
ベートーヴェン 交響曲第5番「運命」
アンコールは、ソリスト2人にアラン・ギルバートが加わってドヴォルザークのテルツェットの第2楽章でした。
1曲目のアイヴス、初めて聴いた曲ですが、ハーモニーも美しく、耳に馴染みやすく、とても聴きやすい曲でした。
ただ、5分余りのこの曲の為だけに、ピアノとハープとチェレスタを揃え、打楽器もたくさん用意して、それほどの意味があるのか良くわかりません。
しかもその後の協奏交響曲のソリストのスペースを確保するために、オケのメンバーが一旦はけて、ステージマネージャー数人掛かりで配置変更をおこないましたが、要した時間は1曲目の演奏時間よりも長かったです。
それほどまでして演奏する曲だったんでしょうか。
素晴らしいモーツァルトでした。
樫本大進はソリストの時代、彼が十代の頃から良く聴いているのでお馴染みですが、アミハイ・グロスのソロは初めてでした。
グロス、コンチェルトの主役の一人として煽る煽る、しかし対峙する樫本大進は涼しい顔でひらりひらりとかわします。
二人の間をしっかりとサポートする都響が素晴らしい接着剤の役割を果たして、変幻自在とても楽しいモーツァルトでした。
アンコールは、いったん袖に下がったアラン・ギルバートがヴァイオリンをもってソリスト二人と一緒に登場しました。
ご両親がニューヨーク・フィルのヴァイオリン奏者で、ご自身もヴァイオリンを学んでいた経歴は知っていましたが、ビックリしました。
しかも、あの体ですから、よく見れば樫本大進が持つヴァイオリンと同じサイズですが、アラン・ギルバートだけを見ていると子供向けの3/4サイズを手にしているように見えました。
メインは「運命」
早めのテンポで、一気呵成の勢いで進んでいきます。
全ての繰り返しを実行するので、演奏時間はそれなりに長くなりますが、それを感じさせません。
とても密度の高い演奏ですが、オケから引き出し、まとめ上げる指揮者の素晴らしい手腕と、応えるオケの実力が挨まってもたらしたものだと思います。
ぶれることなく、よそ見することなく、一直線に、緊張感あふれる素晴らしい演奏でした。
特に第4楽章の疾走は痛快かつ爽快でした。
素晴らしいソリストと、素晴らしい指揮者と、都響、素晴らしいコンサートでした。