会田莉凡 コンチェルト・リサイタルに行ってきました。
ホールは、三軒茶屋のSalon TESSERA でした。
プログラムは
チャイコフスキー ロマンス
チャイコフスキー ヴァイオリン協奏曲(ピアノ伴奏版)
ラロ スペイン交響曲(ピアノ伴奏版)
ピアノは田中麻紀さんでした。
最初に、Flyerにはなかったチャイコフスキーのロマンス。
莉凡さん、登場するやプログラムを解説して下さいます。
「いきなりコンチェルトも大変かなと思い1曲追加しました。当初はコンチェルトの第2楽章となるかもしれなかった曲です」とのこと。
マイナーで書かれた2楽章に比べると、メジャーで明るく、チャイコフスキーらしいメロディー満載の、短いけれど素敵な曲でした。
莉凡さんも「なぜチャイコフスキーが変更したのか真意は判りませんが、有名なってくれると良いな、と思って弾きました。」とのことでした。
莉凡さん、京響で7年、札響で3年半、弾いてる中で一番沢山弾いたコンチェルトがチャイコフスキーだそうです。
「20回以上は弾いてると思う。最初のうちはソロを弾きそうになって挙動不審でした。」と笑わせて下さいました。
「今日のプログラム、重量級の曲が2曲で、とんかつとハンバーグというか、とんかつとカレーというか、それはカツカレーがあるから、やっぱりハンバーグかなと考えてました。」って「結構暇?」と思ってしまいました。
「重い2曲で聴くみなさんも大変だと思います。第1楽章の後には間を置きますが2・3楽章はアタッカで」と演奏が始まりました。
コンチェルトの伴奏でも、弦楽五重奏で伴奏する時はほぼオケを忠実に再現していますが、2手のピアノでどう再現するんだろうと興味津々でした。
さすがに2手のピアノでオケを余すと来なく再現するのは無理で、出だしのメロディーは単音でした。
その後も、ヴァイオリンを導入するためのメロディーや、ヴァイオリンがバックに回った時のメロディーは弾きますが、それ以外は主要なリズムを刻むのがメインでした。
ということで、ほぼ裸のヴァイオリンソロを聴くことができました。
初演を依頼された奏者が演奏不能と断わったのは有名なエピソードだと思います。
しかも断っただけではなく改訂版を作って20世紀半ばまではその改訂版が主流だった曲です。
演奏不能と拒否されたヴァイオリンソロをスケルトンで聴くことができて貴重な経験でした。
莉凡さんは事もなげに、楽々演奏していましたが、きっとここなんだろうなぁと想像がつく個所が何か所かありました。
オケと競うことなく、オケにソロの音をかき消されることもなく、ヴァイオリンソロだけを堪能するにはもってこいの演奏でした。
休憩を挟んでラロ。
「ヴァイオリニストは幼い時からラロのスペイン交響曲を勉強するのでてっきりスペイン人だと思っていたら、フランス人でした。ワールドカップ、両国とも準決勝に残ってますね。札響で4人で優勝予想していて・・」とひとしきりサッカーの話題でした。
今日の2曲、8月に札幌で弾くそうです。
「当初は両方ともチャイコフスキーのオーダーだったけど、2週続けて札幌でチャイコフスキーじゃ集客にも影響があるだろう、ということで変更することとなりメンデルスゾーンやベートーヴェンやブラームスなど20曲ほどを提案したらラロがチョイスされてビックリした。」と裏話を披露してくれました。
「フランス人がよくぞこんなにスペイン風の曲が書けたなぁと感心します」とも。
こちらはヴァイオリン協奏曲ですが、交響曲の名の通りオケの部分が沢山ありますし、チャイコフスキーに比べればヴァイオリンがお休みしてる箇所も沢山です。
ということでピアノが大活躍、編曲した方が素晴らしいとは思いますが、ピアノ演奏も素晴らしかったです。
弦だけでなく、木管も、金管も、ときには打楽器も、余すことない再現でした。
絡むヴァイオリンも、情熱的に、時にポルタメントを掛けて色っぽく、勢いのある明るく艶やかな、降り注ぐような音でのラロでした。
「アンコールは、しっとりした曲も考えたんですが、勢い良く帰って頂こうと考えて、チャルダッシュ」ここで客席では「おーーっ」と歓声が上がりました。
モンティのチャルダッシュ、みんな大好きなんですね。
弾き終えて「ドレスの背中に少し余裕ができたような気がします。毎日これ弾いてると瘦せるかなぁ。皆さんも少し体重が落ちてると思います。」と最後までユーモアを忘れず、それでいて素晴らしさ満載の莉凡さんのリサイタルでした。
