ハマのJACKスペシャルコンサート ~白熱の室内楽~ に行ってきました。

ホールは、みなとみらい小ホールでした。

 

ハマのJACKの弦楽五重奏をバックにコンチェルトが2曲でした。

 

プログラムは

 

モーツァルト ヴァイオリン協奏曲第5番「トルコ風」(ソロ 水野琴音)

シューマン  ピアノ協奏曲(ソロ 桑原志織)

 

アンコールは、ヴァイオリンソロでバッハの無伴奏パルティータ3番から第4曲ジーク、ピアノソロでシューベルトの即興曲第3番でした。

 

ハマのJACKメンバーは、VN三又治彦・倉冨亮太、Va村松龍のN響メンバー3人に、Vcが元N響コンマス海野義雄さんのご子息海野幹雄さん、Cbが松井理史さんの5人です。

 

ホールの入りは、5割ぐらいとちょっと寂しい入りでした。

 

まずは、モーツァルト。

今日は水野さんのVnが聴きたくて足を運んだコンサートでした。

芸大3年生ですから当たり前といえば当たり前ですが、若々しく溌溂としたVnでした。

少し硬めの音ですが、艶やかで、明るく煌びやか、伸び伸びと、どこまでも届くのではないかと思うぐらいに伸びやかです。

水野さんと川又さんが1stVnパートをデュエットでこの上なく楽しそうな演奏でスタートしました。

その雰囲気は最後まで変わることなく、トルコ風の由来たる第三楽章の行進曲も楽しく聴かせてもらいました。

さすが日本音コン1位、とっても明るく、華やかさがあり、聴くものを楽しくしてくれます。

一方において当然ですが、アンコールのジークでは、しっとりとした深い表現も聴かせてくれます。

これからが楽しみな若手ヴァイオリニストがまた一人、将来が楽しみです。

 

休憩を挟まず、ステージ配置の変更だけで後半がスタートしました。

ステージ前方に着座した弦楽五重奏、後にピアノ、まるでピアノ五重奏曲でも始まるのかといった配置です。

ピアノコンチェルトで「ピアノが後ろ」は初めての体験でした。

 

モーツァルトは、オーケストラ版でもObとHrnしか使っていませんから弦楽五重奏とソロVnでも、セレナードやディヴェルティメントを聴いている感じで違和感は全く感じませんでした。

しかし、シューマンはフルオーケストラ、2管編成をどう弦楽五重奏に置き換えるのか、興味津々でした。

結論から言えば、弦楽五重奏だけでピアノのバックは少し荷が重かったと思います。

ピアノも弦楽五重奏に配慮して少し控えめに演奏していたように聴こえました。

本来なら劇的に弾かれる部分も大人し目、明るい第3楽章とも大きなコントラストは付けられていませんでした。

ただスケルトンに近い分、曲の骨格やピアノとの関係はとても良く聴き来とることができました。

ピアノの桑原さんだけでなく、フルオーケストラのいろんな楽器の音やパッセージを割り振られたハマのJACKの個々の奏者の技量が高かった故に楽しめた演奏だったと思います。

メンバー如何では、ペラッペラで深みも趣もない、バランスを欠いたつまらない演奏になってしまいますが、今日は6人でも演奏と感じさせない、厚みあるアンサンブルが聴かれました。

ハマのJACK、なかなかやるなぁ、と感心させられたピアノコンチェルトでした。

 

次は、フルオーケストラをバックにしたお二人のソロを是非聴いてみたいと思います。