ユベール・スダーン指揮、東京交響楽団のコンサートに行ってきました。

ホールは、ミューザ川崎シンフォニーホールでした。

 

プログラムは、ベートーヴェンのシンフォニーを2曲。

 

交響曲第6番「田園」

交響曲第4番

 

アンコールはありませんでした。

 

入りは、まずまずだったと思います。

ステージサイドのLA・RAブロックは空席が目立ちはしたが他のブロックは8割以上埋まっていました。

僕自身、デュトワ&新日本フィルとどっちにしようか迷いましたし、夜はN響に反田恭平が登場します。

魅力的なコンサートが複数重なる中、健闘していたと思います。

 

2コンサート続けて1曲目は「田園」。

過去に2コンサート続けてメインが「田園」はあったかもしれませんが、「1曲目に」、は初めてでした。

 

同じ「田園」ですが、ミッキーとはずいぶんテイストの違うスダーンらしい「田園」でした。

8型だったミッキーとは違って14型の大きな編成ですが、ノンヴィブラートで、贅肉をそぎ落としキリリと引き締まった筋肉質な、すっきりとした演奏でした。

しなやかに流れるようなミッキーに対して、荒れ狂う嵐も乱暴さはなく新緑の季節に相応しく、明るく、軽やかな、新鮮な香りが漂う田園でした。

 

休憩を挟んで4番。

4番を初めて聴いたのはフルトヴェングラーのレコードでした。

その時に聴いた、おどろおどろしいまでの重く沈んだ引き摺るような序奏とは、同じ曲だよね?、というぐらい違います。

フルトヴェングラーのレコードに魅了されて4番は大好きですが、スダーンの4番は全く違った、味わい深い演奏でした。

とは言え、長大な序奏でも、導かれて引き出される第1主題でも、アクセントを強調し、力強さを打ち出しながら、音の強弱のコントラストも鮮やかな、推進力豊かに流れるようだった「田園」とは異なるベートーヴェンでした。

だからといって、重くならないのがスダーンの真骨頂だと思います。

14型ですが、小編成に感じられるぐらい良くまとまって、すっきりと見通しの良い演奏でした。

 

ノットの時とは違う東響の魅力を引き出したコンサートでした。

さすが東響を、ミューザの響きを知り尽くす、前任シェフスダーンの面目躍如でした。